転生したらいろんな意味で兄に可愛がられています~ヴァルハラで死合いましょう~

夢咲まゆ

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第26章~狩りの引率~

第13話

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 ――今日はあまりしつこい熊が出てこないといいんだが。

 ちょうどいい場所が見つからなかったので、結局ピピと下見をした山に決めた。

 熊に追撃されたこと以外は比較的安全だったし、ある程度は自由な行動も可能である。底なしの崖や噴火口みたいなあからさまに危険な場所もないし、多少ヘマをしても下山くらいはできるだろうと思った。

 山に入り、少し開けた場所で足を止める。そしてその場に全員集めて、アクセルは言った。

「今日はここで狩りを行う。全員狩りの経験はあると思うんだが、ヴァルハラの獣は特殊なものが多いから油断せずに……」
「あーもう、そういう御託はいらねぇから」

 と、またもや新人の一人が話を遮ってくる。

 後で聞いたが、この髭面のベテラン風戦士は「ドム」というのだそうだ。山賊っぽい見た目だが、本当に生前は山賊だったのかもしれない。

「山に関しては、オレの右に出るものはいねぇ。テメェなんかに指導される筋合いはねぇよ。オレはオレで勝手にやらせてもらうぜ」
「ならオレも。狩りってのは気心知れたヤツと連携が取れなきゃ意味ねぇからな。小型の獣なら一人で十分だし、指導もいらねぇや」
「え、ちょっ……」

 ドムともう一人の新人が勝手に輪を離れて行ってしまう。

 急いで止めようとしたのだが彼らは思った以上に歩くのが速く、他の新人を置いて行くわけには……と迷っている間にあっという間に見えなくなってしまった。

 ――おいおい、嘘だろ……?
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