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第25章~魂との戦い~
第8話
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「悪いけど、私は今ものすごく機嫌が悪いんだ。口の利き方や態度には気を付けた方がいいよ」
「は、はひ……」
「で、アクセルの棺はどこにやったの? 早く返してくれないかな」
「え、な……」
「あの子は私の宝物だ。それを勝手に持って行くなんて、例え誰であっても許さない」
それを聞いて、アクセルは再度目を見開いた。
――は……? 俺、ヴァルキリーに棺ごと攫われたのか?
そんなことになっていたのなら、兄も怒って当然だ。何が何でも取り戻そうと、殺戮覚悟で乗り込んできたに違いない。
……でもちょっと待てよ?
もしそうだとしたら、今ここにいる俺は一体何なんだ? どうして誰にも認知されないんだ? あちこち自由に移動できるのは何故だ? これは夢じゃなかったのか?
俺は今、どういう状況になっているんだ……?
肝心なことがさっぱりわからない状況の中、兄が脅していたヴァルキリーが館へ逃げ帰っていった。
――さすがに兄上は、ブチ切れると怖いな……。
周りには、若いヴァルキリーの生首や首無しの死体が転がっている。
常人なら少なからず動揺しそうな光景だが、兄は眉一つ動かしていなかった。それどころか、さも当然だと言わんばかりに冷たい目で見下ろしている。自分だったら、いくらブチ切れてもここまではできない。
待っていられなかったのか、兄は自ら館に踏み込んでいった。
もちろんアクセルもついて行った。が、兄の真後ろにいるのに全く気づいてくれない。ミューなどは呑気にペロペロキャンディーを舐めている始末だ。
「は、はひ……」
「で、アクセルの棺はどこにやったの? 早く返してくれないかな」
「え、な……」
「あの子は私の宝物だ。それを勝手に持って行くなんて、例え誰であっても許さない」
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――は……? 俺、ヴァルキリーに棺ごと攫われたのか?
そんなことになっていたのなら、兄も怒って当然だ。何が何でも取り戻そうと、殺戮覚悟で乗り込んできたに違いない。
……でもちょっと待てよ?
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――さすがに兄上は、ブチ切れると怖いな……。
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待っていられなかったのか、兄は自ら館に踏み込んでいった。
もちろんアクセルもついて行った。が、兄の真後ろにいるのに全く気づいてくれない。ミューなどは呑気にペロペロキャンディーを舐めている始末だ。
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