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第24章~トーナメント・決勝戦~
第21話※
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――次で最期だな……。
動きを止めることなく、アクセルは再び小太刀を構えた。
ケイジも変わらず、真っ直ぐに薙刀を構えて突っ込んできた。
この単調かつ見極めやすい動きは、上位ランカーにしては珍しい。ケイジだったらもう少し複雑な動きができそうなものなのに、どうしてそうしないのか。
――いや、これはきっとケイジ様のこだわりだ……。
ケイジはよくも悪くも高潔だ。曲がったことをしない性格だからこそ、動きも変則的にならないのだ。「真っ直ぐ戦いたい」という強いこだわりがあるからこそ、そう簡単について来られないよう極限まで動きが速くなったのだ。
だとしたら、次に相手が攻撃してくる場所も何となく予測できるはず……。
「タアアァァッ!」
アクセルはケイジが現れた場所に向かって、自らも突進していった。
素振りしながら風の刃を飛ばし、最後に大きく振りかぶってケイジの頭上に振り下ろす。
さすがに頭は割れなかったが、薙刀を持っていた左腕を肘ごと落とすのに成功した。
――やった……! やっと一撃らしい一撃を……。
そう思った次の瞬間、喉元から大量の血液がせり上がって来た。
「ぐっ……!」
堪え切れなくなり、アクセルは一気に吐血した。
ケイジを斬ったのと同時に、自分も腹部に直接打撃を受けていたみたいだ。自分の下腹部に、ケイジの右腕が突き刺さっているのが見えた。
カウンターで繰り出されたケイジの拳は、アクセルの腹部を内臓ごと貫いていた。
動きを止めることなく、アクセルは再び小太刀を構えた。
ケイジも変わらず、真っ直ぐに薙刀を構えて突っ込んできた。
この単調かつ見極めやすい動きは、上位ランカーにしては珍しい。ケイジだったらもう少し複雑な動きができそうなものなのに、どうしてそうしないのか。
――いや、これはきっとケイジ様のこだわりだ……。
ケイジはよくも悪くも高潔だ。曲がったことをしない性格だからこそ、動きも変則的にならないのだ。「真っ直ぐ戦いたい」という強いこだわりがあるからこそ、そう簡単について来られないよう極限まで動きが速くなったのだ。
だとしたら、次に相手が攻撃してくる場所も何となく予測できるはず……。
「タアアァァッ!」
アクセルはケイジが現れた場所に向かって、自らも突進していった。
素振りしながら風の刃を飛ばし、最後に大きく振りかぶってケイジの頭上に振り下ろす。
さすがに頭は割れなかったが、薙刀を持っていた左腕を肘ごと落とすのに成功した。
――やった……! やっと一撃らしい一撃を……。
そう思った次の瞬間、喉元から大量の血液がせり上がって来た。
「ぐっ……!」
堪え切れなくなり、アクセルは一気に吐血した。
ケイジを斬ったのと同時に、自分も腹部に直接打撃を受けていたみたいだ。自分の下腹部に、ケイジの右腕が突き刺さっているのが見えた。
カウンターで繰り出されたケイジの拳は、アクセルの腹部を内臓ごと貫いていた。
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