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第24章~トーナメント・決勝戦~
第19話
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こちらは本気でぶつかっているのに、相手が本気を出していないのではこちらの空回りで終わってしまう。
それでは悔しすぎるし、死合いとしての意味がない。
「……ケイジ様、ひとつお願いがあります」
アクセルは真っ直ぐケイジを見返して、言った。
「ケイジ様の本気を見せてくれませんか?」
「ほう?」
「今の俺ではケイジ様に勝てません。それは重々承知しています。だから、ケイジ様とどれくらい実力が離れているのか、実際にこの目で確かめたいんです。ケイジ様の強さを、身をもって体験したいんです」
「なるほど」
「内臓ぐちゃぐちゃになっても構いませんので、どうか……お願いします」
誠心誠意頭を下げ、自分の気持ちをぶつけてみる。
するとケイジは顎に手を当て、面白そうに口角を上げた。
「ふむ。弟君がそう言うのなら、それもよかろう。ただ、私が本気を出すとつい手加減を忘れて、相手が肉塊になってしまうことがあるのだ。フレインにも苦情を入れられるだろうし、少し遠慮していた」
「そ、そうなんですか……」
「だが、本人が望んでいるのなら話は別か。死ぬ時の手向けとして、本気の私を見せてやるのも悪くない」
次いで、地面に刺しておいた薙刀を引き抜き、ぐるりと回転させて構えた。
「では、しばし全力でいかせてもらうぞ」
次の瞬間、再びケイジが消えた。
息をする間もなくすぐ背後からザザッと地面を割り、ケイジが薙刀を構えて突進してくる。
それでは悔しすぎるし、死合いとしての意味がない。
「……ケイジ様、ひとつお願いがあります」
アクセルは真っ直ぐケイジを見返して、言った。
「ケイジ様の本気を見せてくれませんか?」
「ほう?」
「今の俺ではケイジ様に勝てません。それは重々承知しています。だから、ケイジ様とどれくらい実力が離れているのか、実際にこの目で確かめたいんです。ケイジ様の強さを、身をもって体験したいんです」
「なるほど」
「内臓ぐちゃぐちゃになっても構いませんので、どうか……お願いします」
誠心誠意頭を下げ、自分の気持ちをぶつけてみる。
するとケイジは顎に手を当て、面白そうに口角を上げた。
「ふむ。弟君がそう言うのなら、それもよかろう。ただ、私が本気を出すとつい手加減を忘れて、相手が肉塊になってしまうことがあるのだ。フレインにも苦情を入れられるだろうし、少し遠慮していた」
「そ、そうなんですか……」
「だが、本人が望んでいるのなら話は別か。死ぬ時の手向けとして、本気の私を見せてやるのも悪くない」
次いで、地面に刺しておいた薙刀を引き抜き、ぐるりと回転させて構えた。
「では、しばし全力でいかせてもらうぞ」
次の瞬間、再びケイジが消えた。
息をする間もなくすぐ背後からザザッと地面を割り、ケイジが薙刀を構えて突進してくる。
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