2,369 / 2,772
第23章~間幕・透ノ国へ~
第39話
しおりを挟む
「はぁ……やっと一息ついた」
兄がお茶を飲み干し、長い息を吐く。大食漢の兄は、用意した料理を瞬く間に消費してしまった。
「というか、結局あれから何日経ったんだろう? お前、確認した?」
「いや……そもそも帰ってから風呂と食事しかしてないし」
「じゃあ夕飯の買い出しついでに、掲示板も見に行こうか。間に合うものならお前の決勝戦、見てみたいし」
「ああ、そうだな……」
アクセルもお茶のカップに口をつけた。
――そうだ、決勝戦の相手はケイジ様なんだよな……。
透ノ国に行く前は、「自分なんかが敵うはずがない」と最初から諦めていた。
でも今は、「もしかしたらいい勝負ができるんじゃないか」と考えが変わりつつある。地下施設でいろいろあったから、明日辺りきちんと鍛錬して自分の調子を確かめておこう。
その後、使った食器を片付け、世界樹前を経由してから市場に向かった。
世界樹前の掲示板にはまだトーナメント表が貼られており、C、Eブロックの決勝戦が残っているみたいだった。他のA、B、Dブロックは既に決勝戦が終了してしまったみたいで、優勝者が決定している。
「……変だな。Aブロックから順番に決勝戦が行われるはずなのに、何故Cブロックだけ飛ばされているんだ?」
「さあ? 何か事情があったんじゃない? 理由はどうあれ、私はお前の決勝戦を見られて嬉しいよ」
兄がにこりと微笑んでくる。
兄がお茶を飲み干し、長い息を吐く。大食漢の兄は、用意した料理を瞬く間に消費してしまった。
「というか、結局あれから何日経ったんだろう? お前、確認した?」
「いや……そもそも帰ってから風呂と食事しかしてないし」
「じゃあ夕飯の買い出しついでに、掲示板も見に行こうか。間に合うものならお前の決勝戦、見てみたいし」
「ああ、そうだな……」
アクセルもお茶のカップに口をつけた。
――そうだ、決勝戦の相手はケイジ様なんだよな……。
透ノ国に行く前は、「自分なんかが敵うはずがない」と最初から諦めていた。
でも今は、「もしかしたらいい勝負ができるんじゃないか」と考えが変わりつつある。地下施設でいろいろあったから、明日辺りきちんと鍛錬して自分の調子を確かめておこう。
その後、使った食器を片付け、世界樹前を経由してから市場に向かった。
世界樹前の掲示板にはまだトーナメント表が貼られており、C、Eブロックの決勝戦が残っているみたいだった。他のA、B、Dブロックは既に決勝戦が終了してしまったみたいで、優勝者が決定している。
「……変だな。Aブロックから順番に決勝戦が行われるはずなのに、何故Cブロックだけ飛ばされているんだ?」
「さあ? 何か事情があったんじゃない? 理由はどうあれ、私はお前の決勝戦を見られて嬉しいよ」
兄がにこりと微笑んでくる。
0
お気に入りに追加
844
あなたにおすすめの小説

お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた
やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。
俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。
独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。
好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け
ムーンライトノベルズにも掲載しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
*
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
本編完結しました!
リクエストの更新が終わったら、舞踏会編をはじめる予定ですー!

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

言い逃げしたら5年後捕まった件について。
なるせ
BL
「ずっと、好きだよ。」
…長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。
もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。
ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。
そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…
なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!?
ーーーーー
美形×平凡っていいですよね、、、、

僕だけの番
五珠 izumi
BL
人族、魔人族、獣人族が住む世界。
その中の獣人族にだけ存在する番。
でも、番には滅多に出会うことはないと言われていた。
僕は鳥の獣人で、いつの日か番に出会うことを夢見ていた。だから、これまで誰も好きにならず恋もしてこなかった。
それほどまでに求めていた番に、バイト中めぐり逢えたんだけれど。
出会った番は同性で『番』を認知できない人族だった。
そのうえ、彼には恋人もいて……。
後半、少し百合要素も含みます。苦手な方はお気をつけ下さい。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる