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第22章~トーナメント・第五死合い~
第66話
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「触らないで」
まろやかだが鋭い声が聞こえてきて、アクセルはビクッと肩を震わせた。慣れ親しんだ声音を聞いたらまた気が抜けそうになり、危うくイってしまいそうになった。
「弟のことは私に任せて。きみはあっちのバラバラになってる方を回収してあげなさい」
「は、はい……失礼しました」
体よく遺体回収班を追い払い、兄はこちらに近づいてきた。そして膝を折ってしゃがみ込み、耳元でこっそり話しかけてくる。
「アクセル、歩けるかい?」
「っ……は、あ……」
「……無理そうだね。じゃあお兄ちゃんが背負ってあげるから、泉で毒抜きしよう。もう少し辛抱するんだよ」
「う……」
兄はこちらの身体を上手く隠しながらひょいと背中に担ぎ上げると、そのまま速足で泉に直行した。
――で、でもこの状況……。
兄の身体で自分の下腹部が隠れるのはありがたいが、その代わり兄の背中に硬くなったものが当たってしまっている。これはこれで恥ずかしい。
かと言って離れることはできないし、もし運ばれている途中、気が抜けて背中にぶちまけてしまったら……。
「あ、にうえ……」
「いいの、今は何も気にしないで。もう少しで泉だから、あとちょっと我慢しててね」
「う、ん……」
アクセルは兄の肩に顔を埋めつつ、疼いている身体を必死に抑えた。
本当は今すぐにでもめちゃくちゃに犯されたいくらいだったが、公共の場でそんな恥ずかしいことできない……と、ギリギリ理性で我慢している状態である。
まろやかだが鋭い声が聞こえてきて、アクセルはビクッと肩を震わせた。慣れ親しんだ声音を聞いたらまた気が抜けそうになり、危うくイってしまいそうになった。
「弟のことは私に任せて。きみはあっちのバラバラになってる方を回収してあげなさい」
「は、はい……失礼しました」
体よく遺体回収班を追い払い、兄はこちらに近づいてきた。そして膝を折ってしゃがみ込み、耳元でこっそり話しかけてくる。
「アクセル、歩けるかい?」
「っ……は、あ……」
「……無理そうだね。じゃあお兄ちゃんが背負ってあげるから、泉で毒抜きしよう。もう少し辛抱するんだよ」
「う……」
兄はこちらの身体を上手く隠しながらひょいと背中に担ぎ上げると、そのまま速足で泉に直行した。
――で、でもこの状況……。
兄の身体で自分の下腹部が隠れるのはありがたいが、その代わり兄の背中に硬くなったものが当たってしまっている。これはこれで恥ずかしい。
かと言って離れることはできないし、もし運ばれている途中、気が抜けて背中にぶちまけてしまったら……。
「あ、にうえ……」
「いいの、今は何も気にしないで。もう少しで泉だから、あとちょっと我慢しててね」
「う、ん……」
アクセルは兄の肩に顔を埋めつつ、疼いている身体を必死に抑えた。
本当は今すぐにでもめちゃくちゃに犯されたいくらいだったが、公共の場でそんな恥ずかしいことできない……と、ギリギリ理性で我慢している状態である。
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