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第22章~トーナメント・第五死合い~

第56話

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「まだ何もされてねぇのにいきなり娼館全滅とか、オレたちに対する宣戦布告だ。売られた喧嘩はキッチリ買って、十倍にして返してやらねぇとなぁ?」
「……はあ、そうですか」

 アクセルからすれば逆恨みもいいところだが、この雰囲気だとあまり話も通じなさそうだ。同じオーディンの眷属エインヘリヤルなのに、ここまで民度の低い人がいるのかと思うと、こちらが恥ずかしくなってくる。

『ただいまより、アクセルVSナダルの死合いを執り行います……』

 天からヴァルキリーの声が降ってきた。

 アクセルは指定の位置に着き、そこで構えの姿勢をとった。

 ナダルも同じく剣の柄に手をかけたが、未だにこちらを舐めているのか、余裕綽々の笑みでこんなことを言ってきた。

「ちなみにお前、負けたらオレらのアジトで慰み者の刑だからな」
「……ちょっと何言ってるかわかりませんね。そんなのは俺に勝ってから言ってください」
「ハッ! 一丁前なこと言ってんじゃねぇよ、いつも兄貴に守られている半人前がよ」

 半人前、という言葉がアクセルの胸に小さく刺さった。

 それに関しては悔しいけど一理ある。半人前のつもりはなかったものの、兄に守られているのは事実だ。

「あいつが娼館全滅させたのだって、どーせお前がお願いしたからだろ? お前の兄貴は弟にゲロ甘だからなぁ?」
「…………」
「そんな半人前が、トーナメントで勝ち上がってるなんてどう見てもおかしいだろ。ここはキッチリ、ヴァルハラの厳しさを教えてやらねぇとなぁ」
「そうですか」
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