転生したらいろんな意味で兄に可愛がられています~ヴァルハラで死合いましょう~

夢咲まゆ

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第22章~トーナメント・第五死合い~

第36話

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 返答してくれたかと思ったら、兄はいともあっさりこちらの意志を否定してきた。

「だって私は、既に汚れきっているもの。お前がヴァルハラに来る前からこんなだから、今更綺麗事なんて言っても遅いよ。『理想のお兄ちゃん』になれないのは心苦しいけど、こればっかりはどうしようもない。理想と現実は違うんだって、諦めてもらうしかない」
「そんな……」
「とにかくお前は、トーナメントを勝ち上がることだけを考えていなさい。次の死合いでナダルに報復するんでしょ? だったら余計なことを考えている暇なんてないはずだ。せっかく失格を取り消してもらえたんだから、最後まで勝ち上がらないと損だよ」

 強引に話をまとめ、アクセルから離れて行こうとする兄。

 ここまであからさまに突き放されたのは初めてで、アクセルはますます血の気が引いた。このまま距離をとったら兄に見捨てられてしまう気がして、恥も外聞もなく背中から抱きついた。

「ごめん、兄上……俺が悪かった……! 兄上の気持ちも考えず、生意気なこと言ってすみませんでした……!」
「離しなさい」
「嫌だ、離さない! だってこのまま兄上と離れたら、兄上どこか行っちゃうじゃ……」
「もう……いい加減にしろって言ってるんだよ!」

 空気がビリッと痺れたかと思ったら、腕をガッと掴まれて強引に引き剥がされた。そして近くのソファー付近に叩きつけられ、間髪入れずに上から頭を踏みつけられた。こんなことをされたのも生まれて初めてだった。
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