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第22章~トーナメント・第五死合い~

第11話

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「ふーん……そうなんだ? 別に何を話してもいいんだけどさ」

 兄は興味なさそうに顔を背け、再びソファーでゴロゴロし始めた。

 アクセルは湧いてくる好奇心を何とか抑えつつ、兄に言った。

「兄上……死合いに勝ったら、ナダルさんと何があったか聞かせてくれよな」
「ああ……別に何てこともないよ。賭けに負けたから、娼館で一ヵ月働かされただけ」
「え……?」
「当時の私が未熟だっただけさ。昔のことだし、お前が気にする話じゃないよ」
「…………」

 ……不意打ちでとんでもないことを聞かされてしまった。

 賭けに負けた? 娼館で働かされた? しかも一ヵ月も? それだけでも十分ショッキングなのだが。一体どうしてそんなことに……。

 ――というか兄上……一ヵ月も娼館にいたってことは、つまり……そういうことだよな……?

 想像しただけでぞっとする。兄がいろんな男と一ヵ月も交わっていたなんて、考えたくもなかった。

 そりゃあ昔の兄は生活が乱れていたって聞いているけど、娼館にいたという話は聞いていない。

 というか、賭けに負けたって一体何をしたんだ……? ナダルと何があったんだ……?

 堪えきれず、アクセルはこれだけ尋ねた。

「兄上、それは……兄上の意志じゃなかったんだよな? 賭けに負けたから仕方なく働いていただけで、自ら選択したわけじゃないんだよな?」
「そりゃあね。さすがの私も娼館には興味ないかな」
「だ、だよな……よかった」
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