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第22章~トーナメント・第五死合い~

第4話

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 いや、そもそも兄は「ナダルなんて知らない」とごまかしていた。それはつまり、遠回しに「ナダルとのことには触れないで欲しい」と言っているのではないか。知られたくない過去があるから、それ以上話をしたくなかったのではないか。

 それを自分が興味本位で掘り返していいのだろうか。ものすごく気になるけど、詳しく調べるのはやめておいた方がいいんじゃないだろうか……。

 かなり悩んでいたら、チェイニーが釘を差すように言った。

「ま、昔の出来事をあまり深掘りするのもよくないけどね? 今現在に影響があるわけじゃないなら、さっさと忘れて流さないとさ。死合いどころのメンタルじゃなくなるよ?」
「そ、そうだよな……」
「アクセルは意外といろんなこと気にしちゃうタイプだから、余計な情報は入れない方がいい。調べるのは戦い方や武器だけにして、その他のことはスルーをおすすめするよ。せっかくここまで勝ち上がったのに、メンタルやられて不戦敗なんて残念すぎるもんね」
「……わかった。肝に銘じておくよ。アドバイスありがとう」

 アクセルは微笑みながらチェイニーに礼を言った。

 やはり情報通のチェイニーに言われると、説得力がある。知らぬが仏という言葉もあるし、知らないでいた方が幸せなことあるのだろう。少なくとも、今は。

「それにしても、いつもごめんな。都合のいい時に情報引き出してるみたいになっちゃって」
「別にそんなこと思ってないけど」
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