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第22章~トーナメント・第五死合い~

第3話

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 苦笑しつつ郵便物を受け取り、アクセルは話題を変えた。

「ところでチェイニー、ナダルって人知ってるか?」
「ナダル? ああ……一応知ってはいるかな。ただ、あまりいい噂は聞かないね」
「……悪人なのか?」
「何を悪人とするかは人それぞれだろうけどさ……。でもナダルとかいう人もそこそこ歴史が長い戦士エインヘリヤルだからなぁ……何ならランゴバルト様の次くらいのベテランかも」
「そんなに……? てことは兄上よりずっと先輩なのか……」
「そういうことになるね。まあ昔のヴァルハラはほぼ無法地帯だったから、今では考えられないようなことも普通にあったんでしょ」
「考えられないことって……?」
「それは自分で調べた方がいいんじゃないかな。誰かから伝聞されると余計な尾ひれがついて、正確な情報が得られなくなるんでね」
「…………」
「どうせ死合いの前に相手のこと調べるんでしょ? だったら自分の目で『ナダル』がどんな奴か、確かめて来なよ。オレの口からはあまり詳しいこと言えないからさ」
「そうか……」

 何やら嫌な予感がする。チェイニーの口調からして、絶対いい意味ではないだろう。

 兄とナダルの間に何かあったのは間違いなさそうだが、それを詳しく調べるのは少し勇気がいる。

 もし……もし、元カレみたいな怪しい関係だったらどうしよう。そんなことが発覚したら、こちらが喚き散らしてしまいそうだ。
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