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第21章~トーナメント・第四死合い~

第21話

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『死合い開始十秒前……九……八……』

 お決まりのカウントダウンが始まる。

 アクセルは少し腰を落とし、小太刀の柄に手をかけていつでも抜刀できるよう姿勢を整えた。

 兄が見ていなくても、兄の応援がなくても、絶対勝たなくちゃ……!

『三……二……一……スタート!』

 合図と共に、アクセルは一気に距離を詰めた。

 そのまま両手の小太刀を抜き放ち、一度フェイントをかけつつ斜め後ろの死角からアロイスに斬りかかる。

 ガキン、と金属同士がぶつかり合う音がして、硬い鎧に刃を防がれてしまった。

「さすがアクセル、前より攻撃が速くなってるな!」

 振り下ろされた刃を物ともせず、腕でぐぐっと小太刀を押し返してくる。

「でも、オレだって負けてねぇんだぞ!」
「っ……!」

 力ずくで小太刀を弾かれ、横から大剣を薙ぎ払われる。

 サッと地面を蹴って距離を取ったが、腹部スレスレをビュン、と勢いよく風が切っていった。風圧で服の表面が少し擦り切れた。

 ――アロイス、以前より素振り速度が上がってるな……!

 大剣は一撃が重い分、振りも大きく隙が生まれやすい。

 そこが弱点でもあるのだが、アロイスはそれを地道な鍛錬で上手くカバーしてきたみたいだ。

 思えば、家を訪ねた時はいつも太い丸太を抱えて素振りをしていたし、潰されそうになりながらも一生懸命スクワットをするなどして筋トレに励んでいた。

 そういう筋力強化によって、重い武器や鎧に負けない身体作りに努めてきたのだろう。その努力は、純粋に称賛に値する。

 ――だけど俺だって、何もせずにいたわけじゃない……!
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