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第21章~トーナメント・第四死合い~
第15話
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何も言わずに出て行くなんて水臭い。せめて見送りくらいはしたかった。
というか、ここまで早く出て行く必要があったんだろうか。「そこまで具合が悪いわけじゃないから大丈夫」とか言っていたのに……。
「……はあ」
アクセルは深く溜息をついた。
出て行ってしまったからには仕方がない。自分は次の死合いに集中しよう。
兄が帰ってきたら、「何で黙って出て行ったんだ」と文句を言ってやればいい。
のろのろと顔を洗ってキッチンに入り、昨日のシチューの残りを温めて朝食にした。ピピの分は簡単にサラダを作ってやった。
そしてベランダに出て、日光浴をしながらピピと朝食をとった。
ピピは何かを察したらしく、食事中もこちらを気遣うようにしきりに身体を擦り寄せてきた。そんな優しい仕草が、今のアクセルにはありがたかった。
食事の皿を片付け、庭に下りて軽く準備運動をしてから走り込みを行う。
アロイスとの死合いはとにかく体力勝負だ。途中で力尽きてしまわないように、スタミナはつけておかないと。
「おーい! アクセル、いるかー?」
一人黙々鍛錬を続けていたら、昼前に何故かアロイスが家にやってきた。片手に空の大鍋を持ち、こちらに走ってくるなりそれを押し付けてくる。
「久々におふくろの味が食いたくなった。というわけで、これに作っといてくれ」
「……はあ? いきなり作っといてくれって言われても……。というか、さすがにタダでそんなことしてる暇ないんだが」
というか、ここまで早く出て行く必要があったんだろうか。「そこまで具合が悪いわけじゃないから大丈夫」とか言っていたのに……。
「……はあ」
アクセルは深く溜息をついた。
出て行ってしまったからには仕方がない。自分は次の死合いに集中しよう。
兄が帰ってきたら、「何で黙って出て行ったんだ」と文句を言ってやればいい。
のろのろと顔を洗ってキッチンに入り、昨日のシチューの残りを温めて朝食にした。ピピの分は簡単にサラダを作ってやった。
そしてベランダに出て、日光浴をしながらピピと朝食をとった。
ピピは何かを察したらしく、食事中もこちらを気遣うようにしきりに身体を擦り寄せてきた。そんな優しい仕草が、今のアクセルにはありがたかった。
食事の皿を片付け、庭に下りて軽く準備運動をしてから走り込みを行う。
アロイスとの死合いはとにかく体力勝負だ。途中で力尽きてしまわないように、スタミナはつけておかないと。
「おーい! アクセル、いるかー?」
一人黙々鍛錬を続けていたら、昼前に何故かアロイスが家にやってきた。片手に空の大鍋を持ち、こちらに走ってくるなりそれを押し付けてくる。
「久々におふくろの味が食いたくなった。というわけで、これに作っといてくれ」
「……はあ? いきなり作っといてくれって言われても……。というか、さすがにタダでそんなことしてる暇ないんだが」
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