転生したらいろんな意味で兄に可愛がられています~ヴァルハラで死合いましょう~

夢咲まゆ

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第21章~トーナメント・第四死合い~

第8話

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「メンテナンスって……なんか道具みたいな言い方だな?」
「まあ私たちはオーディン様の眷属エインヘリヤルだから、実質道具みたいなもんじゃない?」

 しれっとそんなことを言い、兄は続けた。

「そういうわけだから、私も近いうちに本格的なメンテナンス受けてこようかなって。また魂が劣化しまくって、お前に迷惑かけたら大変だもんね」
「そうか……。ちなみに、その魂のメンテナンスとやらはどのくらいの期間がかかるものなんだ?」
「詳しいことはわからないな。棺に入るよりかは時間がかかりそうだけど、私はそこまで重症じゃないから一週間くらいで治るんじゃない?」
「一週間か……」

 アロイスとの死合いがあるのは五日後だから、明日からメンテナンスを受けたら死合いには間に合わない。

 ――てことは、また兄上の応援なしで戦わなきゃいけないのか……。

 ちょっと寂しいけど仕方がない。アロイスとの死合いは自分一人で頑張ってこよう。

 そう思っていると、兄はにこりと微笑んでこんなことを言ってきた。

「あ、でもお前の死合いはちゃんと見てからにするよ。でないと結果が気になりすぎて、メンテナンスどころじゃなくなっちゃうもの」
「は……?」
「五日くらい先延ばしにしても、いきなり変なことになっちゃうわけじゃないし。だから、お前の雄姿を見た後でメンテナンス行ってく……」
「いや、だめだ! 明日にでもメンテナンス行ってきてくれ。俺は頑張って死合い勝ってくるから、兄上は自分のことにだけ集中してくれ」

 被せるように兄の言葉を遮る。
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