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第21章~トーナメント・第四死合い~
第3話
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「まあな。とにかく、明日からまたしっかり鍛錬しないと……」
夕食を平らげ、使った食器を洗い、念のためもう一度シャワーを浴びてから、軽くストレッチをして寝ることにした。
さっきまで仮眠していたから眠れないかなと思っていたけれど、意外とあっという間に寝付けてしまった。思った以上に疲れが溜まっていたみたいだ。
***
翌日、アクセルはいつも通り起床して朝食前の鍛錬を行った。
庭に降りていった途端、ピピが目ざとく起きてきて小屋からすっ飛んできた。
「おはよう、ピピ。今日も元気そう……どわ!」
じゃれついてきたのかと思いきや、正面から勢いよくタックルされ、後方に吹っ飛ばされてしまう。反射的に受け身をとらなかったら、朝っぱらから大怪我するところだった。
「な、なんだ? どうしたんだピピ?」
「ぴー!」
「なんか怒ってる? え、なんだ? 俺何かしたか?」
ピピはダンダンと足を踏み鳴らすと、ムスッと一言こう答えた。
「おなか、すいた」
「……は?」
「おなか! すいた!」
それと同時に「ぐぅぅ……」とピピの腹の虫が鳴る。
それを聞いて、アクセルはハッと息を呑んだ。
「あっ……ごめん! 昨日ご飯食べてなかったのか? てっきり兄上が作ってくれたものだと……」
「ぴ……」
「ご、ごめん、ホントに……! 今すぐ作ってくるから、ちょっと待っててくれ」
慌ててキッチンに駆け込み、急いで野菜を切り刻み、まずはサラダ状態でピピに出してやる。
ピピはあっという間にサラダを完食し、「もっとおかわり」と催促してきた。
夕食を平らげ、使った食器を洗い、念のためもう一度シャワーを浴びてから、軽くストレッチをして寝ることにした。
さっきまで仮眠していたから眠れないかなと思っていたけれど、意外とあっという間に寝付けてしまった。思った以上に疲れが溜まっていたみたいだ。
***
翌日、アクセルはいつも通り起床して朝食前の鍛錬を行った。
庭に降りていった途端、ピピが目ざとく起きてきて小屋からすっ飛んできた。
「おはよう、ピピ。今日も元気そう……どわ!」
じゃれついてきたのかと思いきや、正面から勢いよくタックルされ、後方に吹っ飛ばされてしまう。反射的に受け身をとらなかったら、朝っぱらから大怪我するところだった。
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「ぴー!」
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ピピはダンダンと足を踏み鳴らすと、ムスッと一言こう答えた。
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「……は?」
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それと同時に「ぐぅぅ……」とピピの腹の虫が鳴る。
それを聞いて、アクセルはハッと息を呑んだ。
「あっ……ごめん! 昨日ご飯食べてなかったのか? てっきり兄上が作ってくれたものだと……」
「ぴ……」
「ご、ごめん、ホントに……! 今すぐ作ってくるから、ちょっと待っててくれ」
慌ててキッチンに駆け込み、急いで野菜を切り刻み、まずはサラダ状態でピピに出してやる。
ピピはあっという間にサラダを完食し、「もっとおかわり」と催促してきた。
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