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第20章~トーナメント・第三死合い~
第72話
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アクセルの武器は一般的な小太刀なのでそこまで特殊なエルフは必要ないが、それでも剣の錬成が苦手なエルフに当たるとせっかくの玉鋼が無駄になってしまうこともある。
さて、今日はどんなエルフがいるだろうか……。
「ごめんください」
アクセルが鍛冶場に足を踏み入れると、そこでは一人のエルフが黙々とトンカチを叩いていた。カンカン、というリズミカルな音が心地よい。
「あの、すみません」
声をかけてみたが、エルフは振り向かない。まるで聞こえていないのか、熱心にカンカン、とトンカチを打ち付けていた。一体何を錬成しているのやら。
「あの、すみません!」
後ろから近づき、大きめの声で話しかける。
それでも全然気づいてくれなくて、さすがにちょっと戸惑った。
――え、これで気づかないなんてある? どんだけ集中してるんだ……?
手元を覗き込んだら、叩いていたのはごく普通の剣のようだった。
とりあえず剣が苦手なエルフではなかったので、その点はホッとする。
しかし気づいてもらえないと話が進まないので、アクセルは彼の耳元で声をかけた。
「すみません、ちょっといいですか?」
「はぅあッ!?」
奇妙な悲鳴を上げ、ようやくエルフは振り返った。見た目は若そうだったが、エルフだから見た目よりずっと歳がいっていると思われる。
「な、何だよあんた!? 急に話しかけないでくれたまえ」
「すみません、さっきから何度も話しかけたんですが全然気づいてくれなかったので」
さて、今日はどんなエルフがいるだろうか……。
「ごめんください」
アクセルが鍛冶場に足を踏み入れると、そこでは一人のエルフが黙々とトンカチを叩いていた。カンカン、というリズミカルな音が心地よい。
「あの、すみません」
声をかけてみたが、エルフは振り向かない。まるで聞こえていないのか、熱心にカンカン、とトンカチを打ち付けていた。一体何を錬成しているのやら。
「あの、すみません!」
後ろから近づき、大きめの声で話しかける。
それでも全然気づいてくれなくて、さすがにちょっと戸惑った。
――え、これで気づかないなんてある? どんだけ集中してるんだ……?
手元を覗き込んだら、叩いていたのはごく普通の剣のようだった。
とりあえず剣が苦手なエルフではなかったので、その点はホッとする。
しかし気づいてもらえないと話が進まないので、アクセルは彼の耳元で声をかけた。
「すみません、ちょっといいですか?」
「はぅあッ!?」
奇妙な悲鳴を上げ、ようやくエルフは振り返った。見た目は若そうだったが、エルフだから見た目よりずっと歳がいっていると思われる。
「な、何だよあんた!? 急に話しかけないでくれたまえ」
「すみません、さっきから何度も話しかけたんですが全然気づいてくれなかったので」
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