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第20章~トーナメント・第三死合い~
第60話
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「はは、そうか。じゃあヨーグルトにハチミツかけて食べような。あとは普通のトーストでいいか」
そんな会話をしながら、マイペースに庭を走る。何周かした後は軽くストレッチをし、固まっている筋肉を解した。
朝のトレーニングを終えたところで一度家に戻り、朝食の準備をする。
ピピのリクエスト通りヨーグルトをたっぷり皿に盛り、上からヴァルハラのハチミツをかけてやった。
食パンをスライスしてキツネ色にこんがり焼き、バターやジャムを添えているところで兄が起きてきた。
「……ありゃ、元に戻ってる」
起き抜けにそんなことを言ってきたので、アクセルは呆れた顔を向けた。
「当たり前だろ、戻ってなかったら困るよ。それとも兄上は、俺が若いままの方がよかったのか?」
「まさか。若いのは新鮮だけど、やっぱり私と同い年の方がいいよ。明らかに年下な見た目だと、いろいろ遠慮しちゃうもの」
「遠慮してたのか? なんやかんやでやりたい放題してたけどな」
結局風呂場でも長時間やられたし、と嫌味を言ったら、兄はしれっとこんなことを言った。
「時間だけなら長かったかもしれないけど、変な道具は使わなかったでしょ。縛ったり口塞いだりもしなかった。そういう意味では、しっかり遠慮してました」
「はあ? 何だよそれ」
「いやね、大きいお前だったら『暴れるから』って口実で好き勝手できるけど、若いお前だと可哀想に思えてきちゃって。本当はいつもみたいにいろんなところを縛って我慢させたかったけど、さすがにそこまではできなかった。やっぱり遠慮なく交わるなら、普段のお前が一番いいな」
そんな会話をしながら、マイペースに庭を走る。何周かした後は軽くストレッチをし、固まっている筋肉を解した。
朝のトレーニングを終えたところで一度家に戻り、朝食の準備をする。
ピピのリクエスト通りヨーグルトをたっぷり皿に盛り、上からヴァルハラのハチミツをかけてやった。
食パンをスライスしてキツネ色にこんがり焼き、バターやジャムを添えているところで兄が起きてきた。
「……ありゃ、元に戻ってる」
起き抜けにそんなことを言ってきたので、アクセルは呆れた顔を向けた。
「当たり前だろ、戻ってなかったら困るよ。それとも兄上は、俺が若いままの方がよかったのか?」
「まさか。若いのは新鮮だけど、やっぱり私と同い年の方がいいよ。明らかに年下な見た目だと、いろいろ遠慮しちゃうもの」
「遠慮してたのか? なんやかんやでやりたい放題してたけどな」
結局風呂場でも長時間やられたし、と嫌味を言ったら、兄はしれっとこんなことを言った。
「時間だけなら長かったかもしれないけど、変な道具は使わなかったでしょ。縛ったり口塞いだりもしなかった。そういう意味では、しっかり遠慮してました」
「はあ? 何だよそれ」
「いやね、大きいお前だったら『暴れるから』って口実で好き勝手できるけど、若いお前だと可哀想に思えてきちゃって。本当はいつもみたいにいろんなところを縛って我慢させたかったけど、さすがにそこまではできなかった。やっぱり遠慮なく交わるなら、普段のお前が一番いいな」
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