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第19章~トーナメント・第二死合い~
第57話
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「情けないねぇ……いい大人が、たかが洞窟踏破でベソかくなんて」
「……!?」
斜め前方から兄の声が聞こえて、アクセルはハッと息を呑んだ。
今のは幻聴か? それとも本物か? どちらでもあり得るから、これだけでは判断できない。
いや、幻聴なら聞き流せば済むけど、もし本当に兄が言っていたらどうしよう。あまりに不甲斐ない弟を見て、本音が出てしまったのだとしたら……。
「というかお前、ヴァルハラに来て結構経つよね? なのに、一向に強くならないってどういうこと? ランクは上がっているけど、メンタルは相変わらず豆腐レベルでどうしようもなさすぎる。そんなんでよく今まで生き残れたね」
「っ……」
「もうさ、いっそ戦うのやめた方がいいんじゃない? ヴァルハラに来られた時点で、お前の目的はほぼ達成してるでしょ。ボロ負けではあったけど、『私と戦う』という目標は既に叶ってるし。これ以上、無駄に頑張る必要ないじゃない」
「う……」
それは……確かにその通りかもしれない。
兄と対等に死合いたいというのは、アクセルの勝手な願望だ。その夢に向かっていろいろ努力してきたつもりだけど、今でも全く追い付いている感じがしない。兄に近づけば近づくほど大きな壁が立ちはだかり、衝突しては砕けて落ち込み、まるで成長できていないように思えてしまう。
それはもしかしたら、自分には「兄に追い付くほどのポテンシャル」がないだけなのかもしれない。絶対に叶わないことだから努力しても追い付けないだけで、最初から自分には不可能だったのかもしれない。
「……!?」
斜め前方から兄の声が聞こえて、アクセルはハッと息を呑んだ。
今のは幻聴か? それとも本物か? どちらでもあり得るから、これだけでは判断できない。
いや、幻聴なら聞き流せば済むけど、もし本当に兄が言っていたらどうしよう。あまりに不甲斐ない弟を見て、本音が出てしまったのだとしたら……。
「というかお前、ヴァルハラに来て結構経つよね? なのに、一向に強くならないってどういうこと? ランクは上がっているけど、メンタルは相変わらず豆腐レベルでどうしようもなさすぎる。そんなんでよく今まで生き残れたね」
「っ……」
「もうさ、いっそ戦うのやめた方がいいんじゃない? ヴァルハラに来られた時点で、お前の目的はほぼ達成してるでしょ。ボロ負けではあったけど、『私と戦う』という目標は既に叶ってるし。これ以上、無駄に頑張る必要ないじゃない」
「う……」
それは……確かにその通りかもしれない。
兄と対等に死合いたいというのは、アクセルの勝手な願望だ。その夢に向かっていろいろ努力してきたつもりだけど、今でも全く追い付いている感じがしない。兄に近づけば近づくほど大きな壁が立ちはだかり、衝突しては砕けて落ち込み、まるで成長できていないように思えてしまう。
それはもしかしたら、自分には「兄に追い付くほどのポテンシャル」がないだけなのかもしれない。絶対に叶わないことだから努力しても追い付けないだけで、最初から自分には不可能だったのかもしれない。
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