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第19章~トーナメント・第二死合い~

第53話

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 よしよし、と頭を撫でた後、兄はふと思いついたように顎に手を当てた。

「ああでも、お前がどうしてもって言うなら一緒に洞窟踏破してもいいよ? 並んで歩くことはできないけど、縦一列になって踏破したらどんなことが起きるのか、純粋に興味がある」
「そ、そうか……? というか、兄上はあの洞窟を歩いている時、幻聴が聞こえたりはしないのか?」
「最初の頃は聞こえたけど、だんだん聞こえなくなってきたなぁ。メンタルが強くなるにつれて、幻聴に惑わされなくなるんだよね」
「う……」

 ということは、幻聴に悩まされている自分はまだまだメンタルが弱いということか。

 ――どうしたら兄上みたいな鋼メンタルになれるんだろうな……。

 自分のメンタルは豆腐レベルだから、些細なことで不安になったり動揺したりしてしまう。兄のようにもっと、どっしり構えられるようになりたい。

「じゃあ、明日あたり一緒に行ってみようね。丸一日かかるかもしれないから、ピピちゃんの食事を忘れずに」
「あ、ああ……そうだな」

 アクセルは早速キッチンに入り、今日の夕食と一緒に明日の分の食事を作り置きすることにした。

 食料庫に保存してある肉や野菜を用意し、それを片っ端から切り刻んでせっせと鍋に放り込む。

 大鍋いっぱいに具材が切れたところで、少しだけ水を加えてぐつぐつ煮込んだ。鍋いっぱいだった具材も、火を入れることで野菜がくたっとしてくるので嵩が減る。野菜だけでもかなり水分が出るので、加える水も少なくていい。足りなければ後で足せばいいのだ。
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