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第17章~トーナメントに向けて~

第70話

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 あれほど痛かった感覚はいつの間にか消え、水の冷たさをしっかり感じることができる。試しに手を伸ばして触ってみたら、足の裏側の皮膚がべろんとめくれて来た。治りかけの皮膚が剥がれてしまったせいで、真皮層が剥き出しになってしまったようだ。地味に痛い。

 アクセルは慌てて泉の縁にしがみつき、足を浸けたまま言った。

「え、ええと……もうちょっと治さないとダメかも」
「そうかい? 私はもう治った気がするな」
「そ、そうか。じゃあ兄上は先に帰っても……」
「いや、いいよ。お前が完治するまで待ってる。一緒に帰ろう」

 そう言ってくれたので、アクセルはお言葉に甘えてそのまま泉に浸かり続けた。

 この泉、怪我がひどいと結構な長時間浸かることになるんだよな……治るのは嬉しいけど、身体が冷えてくるんだよな……せっかく魔法の泉なんだから、温泉みたいに温かくならないかな……などと、しょうもないことを考える。

 お互い無言で時間が過ぎるのを待ちながら、怪我をした他の戦士が利用しに来る様子を眺めた。

「そう言えば、他の人の死合いをしばらく見てないな……」

 自分の鍛錬に必死で、他の人がどれほどの強さを持っているか確認していなかった。

 基本的に観戦は自由だけど、そろそろ誰かしらの死合いを見ておきたいところだ。特に上位ランカーの死合いはいろいろと勉強になるし。
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