1,878 / 2,787
第17章~トーナメントに向けて~
第59話
しおりを挟む
「あのみち、ふつうのひとはかえってこれない。アクセルも、ひとりでいってたらかえってこれなかった。はいらなくて、よかった」
「そ、そうか……そんなヤバい道だったんだな……」
……今更ながら、本当にピピがいてくれてよかった。
お礼がてらいつもより念入りにピピの身体を洗い、コンディショナーも使って毛並みをふわふわに整える。タオルで水分を拭き取り、高級ブラシでブラッシングしてあげていると、兄がベランダから声をかけてきた。
そして兄が作ってくれたイノシシのシチューを食べて、その日は普通に床についた。
***
三日後。約束通り、兄にケイジの修行場に案内してもらった。
「この道を真っ直ぐ進めば、彼の修行場に着くよ」
兄が教えてくれたのは、麓の修行場から少し北に外れた一本道だった。
そこはアクセルが通った道より遥かに歩きやすく、岩山のようなおかしなギミックもない。道が整備されているわけではないのでハイキングコースよりは進みにくかったけれど、それでも、以前の岩山は何だったのかと思うレベルだった。
「なんだ、こんな道なら楽勝じゃないか……。俺が通ってきた道はマジで何だったんだ……」
軽く水分補給をしつつ、アクセルは愚痴をこぼした。
「俺、自分ではそんなに方向音痴なつもりはなかったんだけどな。地図もちゃんと読めるのに、何で毎回変な道を通っちゃうんだろう」
「そ、そうか……そんなヤバい道だったんだな……」
……今更ながら、本当にピピがいてくれてよかった。
お礼がてらいつもより念入りにピピの身体を洗い、コンディショナーも使って毛並みをふわふわに整える。タオルで水分を拭き取り、高級ブラシでブラッシングしてあげていると、兄がベランダから声をかけてきた。
そして兄が作ってくれたイノシシのシチューを食べて、その日は普通に床についた。
***
三日後。約束通り、兄にケイジの修行場に案内してもらった。
「この道を真っ直ぐ進めば、彼の修行場に着くよ」
兄が教えてくれたのは、麓の修行場から少し北に外れた一本道だった。
そこはアクセルが通った道より遥かに歩きやすく、岩山のようなおかしなギミックもない。道が整備されているわけではないのでハイキングコースよりは進みにくかったけれど、それでも、以前の岩山は何だったのかと思うレベルだった。
「なんだ、こんな道なら楽勝じゃないか……。俺が通ってきた道はマジで何だったんだ……」
軽く水分補給をしつつ、アクセルは愚痴をこぼした。
「俺、自分ではそんなに方向音痴なつもりはなかったんだけどな。地図もちゃんと読めるのに、何で毎回変な道を通っちゃうんだろう」
0
お気に入りに追加
843
あなたにおすすめの小説

青少年病棟
暖
BL
性に関する診察・治療を行う病院。
小学生から高校生まで、性に関する悩みを抱えた様々な青少年に対して、外来での診察・治療及び、入院での治療を行なっています。
※性的描写あり。
※患者・医師ともに全員男性です。
※主人公の患者は中学一年生設定。
※結末未定。できるだけリクエスト等には対応してい期待と考えているため、ぜひコメントお願いします。


お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた
やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。
俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。
独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。
好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け
ムーンライトノベルズにも掲載しています。

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

モブなのに執着系ヤンデレ美形の友達にいつの間にか、なってしまっていた
マルン円
BL
執着系ヤンデレ美形×鈍感平凡主人公。全4話のサクッと読めるBL短編です(タイトルを変えました)。
主人公は妹がしていた乙女ゲームの世界に転生し、今はロニーとして地味な高校生活を送っている。内気なロニーが気軽に学校で話せる友達は同級生のエドだけで、ロニーとエドはいっしょにいることが多かった。
しかし、ロニーはある日、髪をばっさり切ってイメチェンしたエドを見て、エドがヒロインに執着しまくるメインキャラの一人だったことを思い出す。
平凡な生活を送りたいロニーは、これからヒロインのことを好きになるであろうエドとは距離を置こうと決意する。
タイトルを変えました。
前のタイトルは、「モブなのに、いつのまにかヒロインに執着しまくるキャラの友達になってしまっていた」です。
急に変えてしまい、すみません。

異世界では総受けになりました。
西胡瓜
BL
尾瀬佐太郎はある日、駅のホームから突き飛ばされ目が覚めるとそこは異世界だった。
しかも転移先は魔力がないと生きていけない世界。
魔力なしで転移してしまったサタローは、魔力を他人から貰うことでしか生きられない体となってしまう。
魔力を貰う方法……それは他人の体液を自身の体に注ぎ込んでもらうことだった。
クロノス王国魔法軍に保護され、サタローは様々な人物から魔力を貰うことでなんとか異世界を生き抜いていく。
※アホ設定なので広い心でお読みください
※コメディ要素多め
※総受けだけど最終的には固定カプになる予定

弟のために悪役になる!~ヒロインに会うまで可愛がった結果~
荷居人(にいと)
BL
BL大賞20位。読者様ありがとうございました。
弟が生まれた日、足を滑らせ、階段から落ち、頭を打った俺は、前世の記憶を思い出す。
そして知る。今の自分は乙女ゲーム『王座の証』で平凡な顔、平凡な頭、平凡な運動能力、全てに置いて普通、全てに置いて完璧で優秀な弟はどんなに後に生まれようと次期王の継承権がいく、王にふさわしい赤の瞳と黒髪を持ち、親の愛さえ奪った弟に恨みを覚える悪役の兄であると。
でも今の俺はそんな弟の苦労を知っているし、生まれたばかりの弟は可愛い。
そんな可愛い弟が幸せになるためにはヒロインと結婚して王になることだろう。悪役になれば死ぬ。わかってはいるが、前世の後悔を繰り返さないため、将来処刑されるとわかっていたとしても、弟の幸せを願います!
・・・でもヒロインに会うまでは可愛がってもいいよね?
本編は完結。番外編が本編越えたのでタイトルも変えた。ある意味間違ってはいない。可愛がらなければ番外編もないのだから。
そしてまさかのモブの恋愛まで始まったようだ。
お気に入り1000突破は私の作品の中で初作品でございます!ありがとうございます!
2018/10/10より章の整理を致しました。ご迷惑おかけします。
2018/10/7.23時25分確認。BLランキング1位だと・・・?
2018/10/24.話がワンパターン化してきた気がするのでまた意欲が湧き、書きたいネタができるまでとりあえず完結といたします。
2018/11/3.久々の更新。BL小説大賞応募したので思い付きを更新してみました。
異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話
深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる