1,847 / 2,679
第17章~トーナメントに向けて~
第28話
しおりを挟む
そう言ったら、兄はきょとんとした顔になった。……何か変なことを言っただろうか。
「あの道って? お前、一体どこを通っていたの?」
「どこって……麓の修行場から続く道だよ。その道がとんでもない岩山になってて、鎖も取っ手もなしでフリークライミングする羽目になったんだ」
「ええ? 何それ? そんな険しい道あったかな……」
「あったんだよ。きっとケイジ様が途中の道に細工して、岩山をたくさん作ったんだろう」
すると兄は、ますます怪訝な顔をして首をかしげた。そしてこんなことを言い出した。
「お前、それ道間違えてない?」
「……え?」
「ケイジは確かに修行バカだけど、道中まで険しい道のりにしたなんて聞いたことないよ。というか私も何度か山奥の修行場に行ったことあるけど、そんな岩山を越えた記憶はございません」
「えええ?」
思わずレモン水をこぼしそうになった。
道を間違えたとはどういうことだ? 山奥の修行場に続く道は、あれ一本だけしかなかったはずなのだが。
「おかしいな……一体どこで間違えたんだろう。道なんて間違えようがないはずなのに、どうして……」
そうやって首を捻っていると、兄は呆れたように腰に手を当てた。
「ホント、お前一人で行動すると何かしらやらかしてくるよね。今回は怪我なく帰ってこられたけど、もしその岩山? から転落してたらタダじゃ済まなかったよ」
「う……すまない……。俺も間違えるつもりはなかったんだが……」
「あの道って? お前、一体どこを通っていたの?」
「どこって……麓の修行場から続く道だよ。その道がとんでもない岩山になってて、鎖も取っ手もなしでフリークライミングする羽目になったんだ」
「ええ? 何それ? そんな険しい道あったかな……」
「あったんだよ。きっとケイジ様が途中の道に細工して、岩山をたくさん作ったんだろう」
すると兄は、ますます怪訝な顔をして首をかしげた。そしてこんなことを言い出した。
「お前、それ道間違えてない?」
「……え?」
「ケイジは確かに修行バカだけど、道中まで険しい道のりにしたなんて聞いたことないよ。というか私も何度か山奥の修行場に行ったことあるけど、そんな岩山を越えた記憶はございません」
「えええ?」
思わずレモン水をこぼしそうになった。
道を間違えたとはどういうことだ? 山奥の修行場に続く道は、あれ一本だけしかなかったはずなのだが。
「おかしいな……一体どこで間違えたんだろう。道なんて間違えようがないはずなのに、どうして……」
そうやって首を捻っていると、兄は呆れたように腰に手を当てた。
「ホント、お前一人で行動すると何かしらやらかしてくるよね。今回は怪我なく帰ってこられたけど、もしその岩山? から転落してたらタダじゃ済まなかったよ」
「う……すまない……。俺も間違えるつもりはなかったんだが……」
0
お気に入りに追加
831
あなたにおすすめの小説
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
ある日、人気俳優の弟になりました。
樹 ゆき
BL
母の再婚を期に、立花優斗は人気若手俳優、橘直柾の弟になった。顔良し性格良し真面目で穏やかで王子様のような人。そんな評判だったはずが……。
「俺の命は、君のものだよ」
初顔合わせの日、兄になる人はそう言って綺麗に笑った。とんでもない人が兄になってしまった……と思ったら、何故か大学の先輩も優斗を可愛いと言い出して……?
平凡に生きたい19歳大学生と、24歳人気若手俳優、21歳文武両道大学生の三角関係のお話。
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
そばかす糸目はのんびりしたい
楢山幕府
BL
由緒ある名家の末っ子として生まれたユージン。
母親が後妻で、眉目秀麗な直系の遺伝を受け継がなかったことから、一族からは空気として扱われていた。
ただ一人、溺愛してくる老いた父親を除いて。
ユージンは、のんびりするのが好きだった。
いつでも、のんびりしたいと思っている。
でも何故か忙しい。
ひとたび出張へ出れば、冒険者に囲まれる始末。
いつになったら、のんびりできるのか。もう開き直って、のんびりしていいのか。
果たして、そばかす糸目はのんびりできるのか。
懐かれ体質が好きな方向けです。今のところ主人公は、のんびり重視の恋愛未満です。
全17話、約6万文字。
奴の執着から逃れられない件について
B介
BL
幼稚園から中学まで、ずっと同じクラスだった幼馴染。
しかし、全く仲良くなかったし、あまり話したこともない。
なのに、高校まで一緒!?まあ、今回はクラスが違うから、内心ホッとしていたら、放課後まさかの呼び出され...,
途中からTLになるので、どちらに設定にしようか迷いました。
ある日、人気俳優の弟になりました。2
樹 ゆき
BL
母の再婚を期に、立花優斗は人気若手俳優、橘直柾の弟になった。穏やかで真面目で王子様のような人……と噂の直柾は「俺の命は、君のものだよ」と蕩けるような笑顔で言い出し、大学の先輩である隆晴も優斗を好きだと言い出して……。
平凡に生きたい(のに無理だった)19歳大学生と、24歳人気若手俳優、21歳文武両道大学生の、更に溺愛生活が始まる――。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる