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第16章~里帰り~
第62話
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「ええー!? そんなルールがあんのか!? なんだよ、チキショー! それじゃ里帰りできねぇってことじゃねーかよ!」
ムスッと口を尖らせ、再び席に着くアロイス。「おふくろの味」とやらを味わいながら、ポツリと尋ねてきた。
「他の家族にも会ったのか?」
「あ、ああ……いろんな意味で元気な弟くんにも会ったぞ」
「アーダンか。あいつは弟の中で特に元気だったからなぁ……変わってないようで何よりだぜ」
元気すぎて何度も木の棒で殴りかかられたけどな……と、心の中で呟く。
「……母ちゃんも、下の子の面倒見るの大変だろうな。たまにはオレが帰って手伝えればいいんだけどな」
と、アロイスが静かに語り出した。
「行ってみてわかっただろうけど、オレん家はとんでもない大家族でさ。そのくせオヤジは早くに亡くなっちまったから、母ちゃん一人で全部の面倒見なきゃいけないんだ。金銭的にもあまり余裕がなかったから、ある程度デカくなったら外に働きに出ようって決めててさ。それで傭兵になったんだよな」
「そうか……」
「でも、結果は見ての通りっつーか……この通り、どっかで戦死してヴァルハラに来ちまったわけで。それ以来、ずっと家族のことが気掛かりだったんだ。オレ、何も言わずにヴァルハラに来ちまったから、母ちゃん絶対心配してるなってさ……。でもここからじゃ会いに行けないし、いつまでもウダウダしてるわけにはいかねぇし。だからせめて、トレーニングだけはサボらないようにしてたんだ。何もしないでいたら、あっという間に下位ランカーになっちまうからな」
ムスッと口を尖らせ、再び席に着くアロイス。「おふくろの味」とやらを味わいながら、ポツリと尋ねてきた。
「他の家族にも会ったのか?」
「あ、ああ……いろんな意味で元気な弟くんにも会ったぞ」
「アーダンか。あいつは弟の中で特に元気だったからなぁ……変わってないようで何よりだぜ」
元気すぎて何度も木の棒で殴りかかられたけどな……と、心の中で呟く。
「……母ちゃんも、下の子の面倒見るの大変だろうな。たまにはオレが帰って手伝えればいいんだけどな」
と、アロイスが静かに語り出した。
「行ってみてわかっただろうけど、オレん家はとんでもない大家族でさ。そのくせオヤジは早くに亡くなっちまったから、母ちゃん一人で全部の面倒見なきゃいけないんだ。金銭的にもあまり余裕がなかったから、ある程度デカくなったら外に働きに出ようって決めててさ。それで傭兵になったんだよな」
「そうか……」
「でも、結果は見ての通りっつーか……この通り、どっかで戦死してヴァルハラに来ちまったわけで。それ以来、ずっと家族のことが気掛かりだったんだ。オレ、何も言わずにヴァルハラに来ちまったから、母ちゃん絶対心配してるなってさ……。でもここからじゃ会いに行けないし、いつまでもウダウダしてるわけにはいかねぇし。だからせめて、トレーニングだけはサボらないようにしてたんだ。何もしないでいたら、あっという間に下位ランカーになっちまうからな」
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