1,752 / 2,784
第16章~里帰り~
第14話
しおりを挟む
「ほら、お前が来る前はヴァルハラの治安が悪くて、上位ランカーがやりたい放題してたって言ったじゃない? それを今の形に是正して、警備係を増やしたり、ルール改定を行ったりして、独自に整備したんだよね」
「ああ……そんなこと言ってたな」
「でも、本来それはヴァルキリーの仕事だからさ。勝手にヴァルハラを整備したのを快く思っていないのかもね。思えば、ヴァルキリーたちが冷たくなったのって革命後だった気もするし。オーディン様の眷属(エインヘリヤル)のくせに、自主的に何かしようとするなんて生意気だ……ってことなんだよ、きっと」
「ええ……? 何だその理由は。くだらなさすぎるだろ」
むっと口を尖らせる。
そもそも、ヴァルキリーがしっかりヴァルハラを管理してくれれば、兄たちも革命を起こす必要なんてなかったのだ。自分たちの怠慢が招いたことなのに、それを逆恨みして根に持つなんてどういう神経をしているのだろう。
すると兄が、苦笑しながら手を振った。
「ま、ヴァルキリーにとって戦士(エインヘリヤル)なんてのは、人間にちょっと毛の生えた下等生物でしかないからさ。いっぱしに何かを起こしたり、意見を言ったりすること自体生意気……って発想になっちゃうんだよ。もともとヴァルキリーは気位が高い人ばかりだし、下等生物に噛みつかれたら逆ギレするのも理解はできるね」
「ああ……そんなこと言ってたな」
「でも、本来それはヴァルキリーの仕事だからさ。勝手にヴァルハラを整備したのを快く思っていないのかもね。思えば、ヴァルキリーたちが冷たくなったのって革命後だった気もするし。オーディン様の眷属(エインヘリヤル)のくせに、自主的に何かしようとするなんて生意気だ……ってことなんだよ、きっと」
「ええ……? 何だその理由は。くだらなさすぎるだろ」
むっと口を尖らせる。
そもそも、ヴァルキリーがしっかりヴァルハラを管理してくれれば、兄たちも革命を起こす必要なんてなかったのだ。自分たちの怠慢が招いたことなのに、それを逆恨みして根に持つなんてどういう神経をしているのだろう。
すると兄が、苦笑しながら手を振った。
「ま、ヴァルキリーにとって戦士(エインヘリヤル)なんてのは、人間にちょっと毛の生えた下等生物でしかないからさ。いっぱしに何かを起こしたり、意見を言ったりすること自体生意気……って発想になっちゃうんだよ。もともとヴァルキリーは気位が高い人ばかりだし、下等生物に噛みつかれたら逆ギレするのも理解はできるね」
1
お気に入りに追加
844
あなたにおすすめの小説
悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
*
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、自らを反省しました。BLゲームの世界で推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。


推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

ハッピーエンドのために妹に代わって惚れ薬を飲んだ悪役兄の101回目
カギカッコ「」
BL
ヤられて不幸になる妹のハッピーエンドのため、リバース転生し続けている兄は我が身を犠牲にする。妹が飲むはずだった惚れ薬を代わりに飲んで。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる