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第15章~些細なすれ違い~
第78話
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「なんかやたらと雰囲気が暗いけど。またいつもの『風邪』が出たのかい?」
「風邪、か。そうかもしれないな……」
「風邪だとしたら、私は何もしない方がいいのかな? それとも、話くらいは聞いた方がいい?」
「……いや、話を聞いて欲しいわけじゃなくて……」
自分でもどうしたいのかわからなくなってきた。
ただ、このまま一人で寝ても明日の気分は晴れないだろうし、だからといってこれ以上気持ちを引きずるのも御免だった。その日に起きた悩みは、なるべくその日のうちに解決したい。
「兄上、お仕置きしてくれ」
「……えっ?」
唐突な申し出に、さすがの兄も目が点になった。パチパチと目をしばたたき、こう聞き返してくる。
「ええと、お仕置きってそっちのお仕置き? お前、今日はそういう気分なの?」
「そういう気分なんだ。このままじゃモヤモヤして眠れないから、思いっきりひどくされて気絶するように眠りたいんだ」
「そ、そっか。お前がそう言うなら、ひどくしてあげてもいいけど」
兄は心なし呆れているようだった。こちらは割と真面目に頼んでいるのだが、どこに呆れる要素があったのだろう。
「というか、お前の方からそんなリクエストしてくるなんてほぼ初めてじゃないの? そんなにモヤモヤすることあった?」
「風邪、か。そうかもしれないな……」
「風邪だとしたら、私は何もしない方がいいのかな? それとも、話くらいは聞いた方がいい?」
「……いや、話を聞いて欲しいわけじゃなくて……」
自分でもどうしたいのかわからなくなってきた。
ただ、このまま一人で寝ても明日の気分は晴れないだろうし、だからといってこれ以上気持ちを引きずるのも御免だった。その日に起きた悩みは、なるべくその日のうちに解決したい。
「兄上、お仕置きしてくれ」
「……えっ?」
唐突な申し出に、さすがの兄も目が点になった。パチパチと目をしばたたき、こう聞き返してくる。
「ええと、お仕置きってそっちのお仕置き? お前、今日はそういう気分なの?」
「そういう気分なんだ。このままじゃモヤモヤして眠れないから、思いっきりひどくされて気絶するように眠りたいんだ」
「そ、そっか。お前がそう言うなら、ひどくしてあげてもいいけど」
兄は心なし呆れているようだった。こちらは割と真面目に頼んでいるのだが、どこに呆れる要素があったのだろう。
「というか、お前の方からそんなリクエストしてくるなんてほぼ初めてじゃないの? そんなにモヤモヤすることあった?」
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