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第15章~些細なすれ違い~
第15話
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確かに、ジークの言わんとしていることは理解できる。アクセル自身も、こういう違和感はなるべく早く解消しておいた方がいいのはわかっているのだ。
兄の元カレに悩みを打ち明けるのもどうかと思うが、兄がまたジークに甘えに行くのもそれはそれで嫌だし……。
「……兄の気持ちがわからないんです」
アクセルは呟くように言った。
「ランクマが終わった辺りから、なんか様子がおかしくて。『強くなったねぇ』って感慨深げに言ったかと思えば、『お前に追い付かれるのは怖い』とか言い出したり。そうかと思えば上機嫌に鍋の準備したり、本当にわけがわからないんです……」
「はあ、なるほどな……」
「今までは強くなったら純粋に喜んでくれていたのに……ランクが上がる度に『頑張ったね』って褒めてくれてたのに……なんでいきなり落ち込み始めたんでしょうか。俺が強くなるのが嫌なら、最初から喜ばないはずですよね? だんだん俺のランクが自分に近づいてきたから怖くなってきたってのは何となくわかりますけど、あそこまでコロコロ機嫌が変わるのも納得できないし……」
「そうか……」
「兄は一体何を考えているんでしょう……」
「あー……そうだなぁ……」
ジークは顎に手を当て、考える素振りをした。何となく察しはついているような顔だった。
――ジーク様の方が兄上の気持ちをわかっていたとしたら、それはそれで複雑なんだが……。
兄の元カレに悩みを打ち明けるのもどうかと思うが、兄がまたジークに甘えに行くのもそれはそれで嫌だし……。
「……兄の気持ちがわからないんです」
アクセルは呟くように言った。
「ランクマが終わった辺りから、なんか様子がおかしくて。『強くなったねぇ』って感慨深げに言ったかと思えば、『お前に追い付かれるのは怖い』とか言い出したり。そうかと思えば上機嫌に鍋の準備したり、本当にわけがわからないんです……」
「はあ、なるほどな……」
「今までは強くなったら純粋に喜んでくれていたのに……ランクが上がる度に『頑張ったね』って褒めてくれてたのに……なんでいきなり落ち込み始めたんでしょうか。俺が強くなるのが嫌なら、最初から喜ばないはずですよね? だんだん俺のランクが自分に近づいてきたから怖くなってきたってのは何となくわかりますけど、あそこまでコロコロ機嫌が変わるのも納得できないし……」
「そうか……」
「兄は一体何を考えているんでしょう……」
「あー……そうだなぁ……」
ジークは顎に手を当て、考える素振りをした。何となく察しはついているような顔だった。
――ジーク様の方が兄上の気持ちをわかっていたとしたら、それはそれで複雑なんだが……。
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