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第14章~新しいバトル~
第128話
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「ただいまー」
そうこうしているうちに兄が帰ってきた。
テーブルに並べられた夕食を見た瞬間、兄はほんの少しだけ「おや?」と目を丸くした後、にこりと微笑んだ。
「今日も美味しそうだね。でもやっぱり食材は買ってきた方がよかったなぁ」
「いや、それは明日俺が買いに行くから大丈夫だ」
……やはり、兄にとってこの量はちょっと物足りないらしい。
心の中で苦笑いし、アクセルは兄と向かい合って食事をした。
主食は軽めだったが、食後にデザートのハチミツシフォンを出してやったら、とても喜ばれた。
***
いつもの就寝時間より少し早く、アクセルはベッドに入った。
ランクマッチをこなし、午後もしっかり鍛錬したら疲れてしまったようだ。今夜は朝までゆっくり眠れそうだ……。
「ねえ、アクセル」
うとうとと眠りに入りかけていたら、兄がベッド脇に腰掛けてきた。
挑発するように髪を弄ってきて、耳元で囁いてくる。
「ね、ちょっと遊ばない? 面白い道具借りてきたんだ。きっとお前も気に入ると思うよ」
「ん……」
「ほら、いっぱい戦ってお前も溜まってるでしょ? 一度発散させた方がいいよ。ね?」
「…………」
あれこれ囁かれたが、アクセルの頭には何も入ってこなかった。
今は何より眠気の方が勝っていた。
「……いや、いい。今日はもう寝る……」
「え? 寝ちゃうの?」
「うん……そういうのは、また明日な……」
そうこうしているうちに兄が帰ってきた。
テーブルに並べられた夕食を見た瞬間、兄はほんの少しだけ「おや?」と目を丸くした後、にこりと微笑んだ。
「今日も美味しそうだね。でもやっぱり食材は買ってきた方がよかったなぁ」
「いや、それは明日俺が買いに行くから大丈夫だ」
……やはり、兄にとってこの量はちょっと物足りないらしい。
心の中で苦笑いし、アクセルは兄と向かい合って食事をした。
主食は軽めだったが、食後にデザートのハチミツシフォンを出してやったら、とても喜ばれた。
***
いつもの就寝時間より少し早く、アクセルはベッドに入った。
ランクマッチをこなし、午後もしっかり鍛錬したら疲れてしまったようだ。今夜は朝までゆっくり眠れそうだ……。
「ねえ、アクセル」
うとうとと眠りに入りかけていたら、兄がベッド脇に腰掛けてきた。
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「ん……」
「ほら、いっぱい戦ってお前も溜まってるでしょ? 一度発散させた方がいいよ。ね?」
「…………」
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今は何より眠気の方が勝っていた。
「……いや、いい。今日はもう寝る……」
「え? 寝ちゃうの?」
「うん……そういうのは、また明日な……」
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