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第14章~新しいバトル~
第90話
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「何言ってるんだ。あいつ、ああ見えてめちゃくちゃ器用なんだぜ? どんな武器を持たせても優雅に踊れるんだ。知らないのか」
「そ、そうなんですか?」
「ああ。今頃飛び道具オンリーの優雅な舞でも考えてるんじゃないか?」
「ええー……」
ユーベルのことだから、普通にやりかねない。
というか、ランクマ開始前にメンバー全員集められて、みっちり踊りを叩きこまれそうな気がする。で、踊れなかった人は罰として何か残念な作業をやらされる予感が……。
「……俺、ちょっとユーベル様のところに挨拶行ってきます。当日までに一度も顔を合わさないのは、いろんな意味で怖いので」
「それが賢明だな。城に行くなら何か手土産持っていけよ? 手ぶらだとお説教されるかもしれんからな」
「わかりました……。とにかく行ってきます」
アクセルは家にあった適当な酒を持参し、ユーベルの城を訪ねた。
案の定、彼は城の庭で小型の弓を持ちながら動きを確認していた。
――うわぁ……。
何というか――非常に流麗な動きである。
片足を上げⅠ字状態で回転したかと思うと、複数の矢を天に向かって放ち、ひらりと飛んでまた矢を放つ。数秒遅れで上から矢が降り注ぎ、先程までユーベルがいたところにグサグサ突き刺さっていった。
動きそのものに無駄がないし、時間差で矢が降ってくるので前だけ見ていればいいわけでもない。
あれが敵だったら……と思うと、末恐ろしい。つくづく味方でよかった。
「そ、そうなんですか?」
「ああ。今頃飛び道具オンリーの優雅な舞でも考えてるんじゃないか?」
「ええー……」
ユーベルのことだから、普通にやりかねない。
というか、ランクマ開始前にメンバー全員集められて、みっちり踊りを叩きこまれそうな気がする。で、踊れなかった人は罰として何か残念な作業をやらされる予感が……。
「……俺、ちょっとユーベル様のところに挨拶行ってきます。当日までに一度も顔を合わさないのは、いろんな意味で怖いので」
「それが賢明だな。城に行くなら何か手土産持っていけよ? 手ぶらだとお説教されるかもしれんからな」
「わかりました……。とにかく行ってきます」
アクセルは家にあった適当な酒を持参し、ユーベルの城を訪ねた。
案の定、彼は城の庭で小型の弓を持ちながら動きを確認していた。
――うわぁ……。
何というか――非常に流麗な動きである。
片足を上げⅠ字状態で回転したかと思うと、複数の矢を天に向かって放ち、ひらりと飛んでまた矢を放つ。数秒遅れで上から矢が降り注ぎ、先程までユーベルがいたところにグサグサ突き刺さっていった。
動きそのものに無駄がないし、時間差で矢が降ってくるので前だけ見ていればいいわけでもない。
あれが敵だったら……と思うと、末恐ろしい。つくづく味方でよかった。
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