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第14章~新しいバトル~
第81話
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「たくさん的を作ってくれたのに、すまないな……」
アクセルは八つ当たりのように、的に向かってヤドリギを投げた。
飛んでいく中でヤドリギは鋭い剣に変形し、グサッと的に当たってくれた。中心からさほど外れていなかったので、狙いは悪くないようだ。
「…………」
その様子を、兄は横から観察してきた。特に口は挟んでこなかったので、投球フォームに問題はないのかなと思った。
しばらくして昼食の時間になったので、兄は一足早く家に戻った。アクセルは十時くらいに朝食を食べたばかりなので、あまり腹が減っていない。昼食抜きでもいいくらいだ。
「アクセル。私、お昼食べたらちょっと出掛けてくるよ」
「そうなのか。どこに行くんだ?」
「武器屋かな。あの職人さんに頼みたいことがあって。夕飯までには戻るよ」
「わかった。いってらっしゃい」
兄を送り出し、アクセルは再びヤドリギを投げる練習をした。
――しかしこのヤドリギ、ちょっと狙いがズレても勝手に軌道修正して当たってくれるんだな……。
わざと的の外に向かって投げても、目的の場所はこっちだとヤドリギ自身が認識しているらしく、毎回ほぼど真ん中に命中してくれる。
さすがに反対方向に投げた時はそのまま飛んでいったが、数メートルのズレくらいなら当たり前に修正してくれるのに舌を巻いた。さすがは神器というべきか。
アクセルは八つ当たりのように、的に向かってヤドリギを投げた。
飛んでいく中でヤドリギは鋭い剣に変形し、グサッと的に当たってくれた。中心からさほど外れていなかったので、狙いは悪くないようだ。
「…………」
その様子を、兄は横から観察してきた。特に口は挟んでこなかったので、投球フォームに問題はないのかなと思った。
しばらくして昼食の時間になったので、兄は一足早く家に戻った。アクセルは十時くらいに朝食を食べたばかりなので、あまり腹が減っていない。昼食抜きでもいいくらいだ。
「アクセル。私、お昼食べたらちょっと出掛けてくるよ」
「そうなのか。どこに行くんだ?」
「武器屋かな。あの職人さんに頼みたいことがあって。夕飯までには戻るよ」
「わかった。いってらっしゃい」
兄を送り出し、アクセルは再びヤドリギを投げる練習をした。
――しかしこのヤドリギ、ちょっと狙いがズレても勝手に軌道修正して当たってくれるんだな……。
わざと的の外に向かって投げても、目的の場所はこっちだとヤドリギ自身が認識しているらしく、毎回ほぼど真ん中に命中してくれる。
さすがに反対方向に投げた時はそのまま飛んでいったが、数メートルのズレくらいなら当たり前に修正してくれるのに舌を巻いた。さすがは神器というべきか。
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