転生したらいろんな意味で兄に可愛がられています~ヴァルハラで死合いましょう~

夢咲まゆ

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第14章~新しいバトル~

第40話

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 ジークとユーベルもいるようだ。ミューに誘われたのかもしれないが、美味しいものがある時に限ってよく現れる人たちである。

 アクセルはできたてのケーキをリビングに運びつつ、言った。

「いらっしゃい。ちょうど完成したところなんだ。今切り分けるから好きなところに座っててくれ」
「やったー! ケーキ、ケーキ♪」

 ミューがウキウキとケーキの前に座り込む。

 ユーベルなどはわざわざ持参した紅茶の葉をこちらに手渡し、「これで紅茶を淹れてください」と要望してきた。

「きみ達、何だかんだでよくうちに来るねぇ。うちは定食屋でもカフェでもないんだけど」

 と、兄が苦言を呈する。

 するとジークが軽く鼻を鳴らした。

「これくらい我慢しろよ。お前さん、今までさんざん周りに迷惑かけてきただろ。メシを奢るくらいじゃ足りないくらいだ」
「奢るも何も、これは弟が作ったケーキなんだけど」
「弟くんも同じようなもんだよ。無自覚かもしれんが、結構俺たちをこき使ってるんだぜ? なあ?」
「んん?」

 話を振られたミューが、ケーキを頬張ったまま首を捻る。彼はケーキを切り分けられる前に、ホールのままフォークで崩して食べていた。

「あー、施設に潜り込んだことなら、僕はあまり気にしてないよー。結構楽しかったし、こうしてケーキも食べられるし……もぐもぐ」
「あなたは気にしなくても、わたくしは少々気になりますね。図々しいお願いをされることも少なくありませんし」
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