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第13章~獣化の秘密~
第122話
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「えーっ? フレインったら、ノリノリで実験に協力してたわけ? ちょっと引くー」
ミューが白い目で兄を見ているので、アクセルも兄に目を向けた。
遺伝子を提供? 実験に協力? 一体どういうことなのか。兄自ら率先して、自分のコピーを作ることに協力していたわけでは、ない……よな……?
「変な言い方やめてくれないかな。おかしな拷問を仕掛けてきたのはきみの方じゃないか」
すると兄は、さも心外だとでもいうかのように反論した。
「私の遺伝子を無理矢理搾り取って、それを元にコピーを作ったのはきみだろう? 私が悪いみたいに言わないで欲しいね」
「ですから、今度は拷問ではなく弟と一緒に遺伝子を搾り取ってあげると言っているんです。あなた方にとっては、いつものことではないですか?」
不意にグロアが視線をこちらに向けてきて、嫌な意味でドキッとした。背筋がぞっとし、思わず兄の服の袖を握り締める。
「あの、兄上……おかしな拷問って……」
「……まあ、いろいろだよ。お前は知らなくていい」
そう言葉を濁されたので、アクセルは何となく内容を察した。
遺伝子を搾り取るということは――血を採るという意味でないのなら――搾取するものは、汗か唾液か精液くらいしか考えられない。
汗や唾液だったら言葉を濁す必要もないから、搾取されていたものはつまり……。
ミューが白い目で兄を見ているので、アクセルも兄に目を向けた。
遺伝子を提供? 実験に協力? 一体どういうことなのか。兄自ら率先して、自分のコピーを作ることに協力していたわけでは、ない……よな……?
「変な言い方やめてくれないかな。おかしな拷問を仕掛けてきたのはきみの方じゃないか」
すると兄は、さも心外だとでもいうかのように反論した。
「私の遺伝子を無理矢理搾り取って、それを元にコピーを作ったのはきみだろう? 私が悪いみたいに言わないで欲しいね」
「ですから、今度は拷問ではなく弟と一緒に遺伝子を搾り取ってあげると言っているんです。あなた方にとっては、いつものことではないですか?」
不意にグロアが視線をこちらに向けてきて、嫌な意味でドキッとした。背筋がぞっとし、思わず兄の服の袖を握り締める。
「あの、兄上……おかしな拷問って……」
「……まあ、いろいろだよ。お前は知らなくていい」
そう言葉を濁されたので、アクセルは何となく内容を察した。
遺伝子を搾り取るということは――血を採るという意味でないのなら――搾取するものは、汗か唾液か精液くらいしか考えられない。
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