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第13章~獣化の秘密~

第43話

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 ――そんなことより、鍛錬頑張らないとな……。兄上がいない間に、ランク上げるって決めたんだし。

 すりすりとピピが鼻面を寄せてきて、アクセルは微笑みながらピピを撫でた。

 朝食を平らげ、食器を綺麗に片づけ、その後溜まっていた衣類を全部洗濯した。一回では洗いきれなくて、結局三回も魔法のドラムを使ってしまった。

 洗濯が終わった頃にはもうお昼近くになっていて、またもや食事の準備に追われる羽目になった。なんだか食事の準備ばかりしている気がする。

 昼食はピピのリクエスト通り、大きなプリンを作った。それから野菜と肉を炒めつつ、小麦を練った団子を茹でてチーズクリームで味付けした。

「ピピ、ご飯だぞ」

 ピピと一緒にベランダで食事をし、食後にはゆっくり紅茶を飲む。昨日、ユーベルがうちで食事をした際、「あなたにも分けてあげましょう」と言って茶葉をくれたのだ。さすがはユーベルが厳選しただけあり、味も香りも素晴らしかった。

「さて、と……。じゃあ露天風呂でも作るか」

 これが本日のメイン業務だ。夕方までみっちり作業するとしよう。

 あらかじめ切り出しておいた材木を並べ、釘とハンマーで組み立てていく。ピピも積極的に重い木材を運んでくれた。可愛いアシスタントだ。

 黙々と露天風呂を作り続け、ようやく膝の高さくらいのところまで木材が積み上がる。ピピも入れるくらい大きなものを作っているので、なかなか目的の高さまで積み上がらず、途中で木材がなくなってしまった。これはまたアロイスにお願いして材料を切り出してもらうしかなさそうだ。
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