転生したらいろんな意味で兄に可愛がられています~ヴァルハラで死合いましょう~

夢咲まゆ

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第13章~獣化の秘密~

第19話

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「いや、来てくれて助かったよ。ついでに頼みを聞いてくれないか?」
「おう、いいぜ! また木材を切り出せばいいんだな?」
「いや、木材は大丈夫。ちょっと図書館で獣化についての本を探してきて欲しいんだ」
「あん? 獣化の本? アクセルも獣化になったのか?」
「俺は何ともないよ。でも兄上が大変なことになっててな……。今のうちに、少しでも知識を入れておきたいんだ」
「フレイン様、そんなに大変なことになってんの?」
「うん、まあ……。獣化ってヤバいんだなって、ひしひしと感じているところだ」

 細かいことは説明できないが、想像以上に大変な現象だった。本能的な空腹や眠気が我慢できなくなるとは聞いていたけれど、まさか自分の腕を切って食べるとは思わなかった。

 ――というか、昨日までは「ちょっと大食い」なだけでそこまで大きな変化はなかったんだけどな……。

 それが、たった一日であんなに進行してしまうなんて……あまりに急展開でやや現実味がない。

 するとアロイスは、顎に手を当てて首をかしげた。

「でも獣化の兆候が出てきたのって最近じゃねぇの? 今朝話した時はそんなにヤバそうな雰囲気なかったよな?」
「……まあな。でも、出掛けて帰ってきたら大変なことになってて」
「ふーん? そんなとんでもない速度で進行する獣化があるんだな。オレ、初めて聞いたわ」
「え? 普通は違うのか?」
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