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第12章~不穏な空気~
第156話
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そろそろ起きてくれると助かるんだが……などと考えつつ、庭を通って玄関に向かおうとしたのだが、
「え……っ?」
途中のピピの小屋を見て、ぎょっと目を剥いた。何故か小屋は半壊状態で、周囲にピピのもふもふした毛玉が飛び散っている。
嫌な予感がして中を覗き込んだら、ところどころに半乾きの血痕が残っていた。当然、ピピの姿はない。
「な……なんだ、これ……!?」
何者かがピピを襲ったってことか? 誰かがうちを襲撃しに来たってことか? ピピはどうなったんだ? 兄は無事なのか?
「兄上!」
アクセルは慌ててベランダから家の中に入った。
案の定、家の中も荒らされていて、特に食事をするテーブル周りはめちゃくちゃだった。兄のために置いてあった朝食は食い散らかされ、皿やグラスが散乱している。
理解が追い付かなくて呆然としかけていると、キッチンから物音が聞こえてきた。
ハッとして身構えつつ、足音を忍ばせてそちらに近付く。誰がいるのかはわからないが、何かを食っているような、バリムシャという音が続いていた。
襲撃してきたヤツが、キッチンで何か食べているのか? そんなことあるのか?
何が目的か知らないが、留守の間にうちをこんな風にしたのは許せない。
アクセルは思い切ってキッチンに飛び込んだ。
対面したらすぐさま小太刀を抜こうと思ったのだが、そこにいた人物を見たら身体が固まってしまった。
「え……っ?」
途中のピピの小屋を見て、ぎょっと目を剥いた。何故か小屋は半壊状態で、周囲にピピのもふもふした毛玉が飛び散っている。
嫌な予感がして中を覗き込んだら、ところどころに半乾きの血痕が残っていた。当然、ピピの姿はない。
「な……なんだ、これ……!?」
何者かがピピを襲ったってことか? 誰かがうちを襲撃しに来たってことか? ピピはどうなったんだ? 兄は無事なのか?
「兄上!」
アクセルは慌ててベランダから家の中に入った。
案の定、家の中も荒らされていて、特に食事をするテーブル周りはめちゃくちゃだった。兄のために置いてあった朝食は食い散らかされ、皿やグラスが散乱している。
理解が追い付かなくて呆然としかけていると、キッチンから物音が聞こえてきた。
ハッとして身構えつつ、足音を忍ばせてそちらに近付く。誰がいるのかはわからないが、何かを食っているような、バリムシャという音が続いていた。
襲撃してきたヤツが、キッチンで何か食べているのか? そんなことあるのか?
何が目的か知らないが、留守の間にうちをこんな風にしたのは許せない。
アクセルは思い切ってキッチンに飛び込んだ。
対面したらすぐさま小太刀を抜こうと思ったのだが、そこにいた人物を見たら身体が固まってしまった。
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