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第12章~不穏な空気~
第145話
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「……ん?」
一口スープを味わったアロイスは、一瞬目を丸くしたまま固まってしまった。
「? どうしたんだ?」
「美味い! ……けど、なんか違う」
「え?」
「いやね、このスープ美味いんだけど、オレの故郷の味とはちょっと違うのよ。だからいろんな意味で驚いたっつーか」
「はあ。そう言われても、俺はアロイスの故郷の味は知らないんだよ」
「えーとだな、何かこう……もう少し酸味があって、スープもシチューみたいにドロッとしててさ。そんで、もっとたくさんの豆が煮込まれてて、味も深みがあって美味くて」
「は、はあ……」
口で説明されても、あまりよくわからないのだが。
「……わかった、今度またチャレンジしてみるよ。でも、これはこれとして取っておいてくれ。残されても困るし」
「おう、ありがとな! これはこれで美味いからさ、料理のレパートリーに加えるといいぞ!」
「はいはい……」
軽く生返事をし、アクセルは話題を変えた。
「ところでアロイスは、朝猛烈に眠くなって起きられなくなったことってあるか?」
「あん? オレはいつも朝は元気満々だぜ! アクセルはそういうことあるのかよ?」
「いや……うちの兄がな。今朝なんかなかなか起きてこなくて起こしに行ったんだけど、それでもまだ眠そうにしてて。シャワー浴びに行ったかと思ったら、結局風呂場でまた寝ちゃったんだよ」
「は? 風呂場で? それ、もう寝るというより気絶じゃん」
「……だよなぁ。さすがにちょっと異常だよな……」
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