1,263 / 2,750
第12章~不穏な空気~
第58話
しおりを挟む
アクセルは腰を上げて、アロイスに礼を言った。
「ありがとう。おかげでかなり助かった。また木材が必要になったら頼みに来ていいか?」
「おう、お安い御用だぜ! いつでも来てくれ!」
「助かるよ。今度お礼に何か差し入れする」
「マジか! じゃあアレだ、肉と豆を煮込んだスープを作って来てくれ! アクセル、料理得意なんだろ?」
「あ……うん、わかった。肉と豆のスープだな」
それくらいだったらわざわざ自分に頼まなくても、市場の食事処に行けばいくらでも食べられそうだが……まあ、アロイスのリクエストだから素直に聞いておくことにしよう。
「じゃあこの台車、借りていくな。終わったら返しに来るよ」
そう言ってアクセルは、加工されたヒノキが積まれた台車を引こうとした。
……が、思った以上にヒノキが重くてなかなか前に進まない。
「……おいおい、大丈夫か? アクセル、ちょっと足腰弱すぎじゃね?」
「そ、そんなはずは……。最近は、足腰や体幹を重点的に鍛えてるんだが……」
「でもその程度の台車もスムーズに動かせないってヤバくね? フレイン様を目指すより、先にケイジ様に稽古つけてもらった方がいいんじゃねぇの?」
「そ、そうかな……。以前、自由に使っていいって言われて、修行場を貸してもらったことならあるが……」
「あー、あの滝が流れてくる修行場だろ! あそこならオレも使ったことあるぜ! あの水、冷たいし重いし、キッツいよなー」
「あ、ああ……。アロイスでもそう思うのか」
「ありがとう。おかげでかなり助かった。また木材が必要になったら頼みに来ていいか?」
「おう、お安い御用だぜ! いつでも来てくれ!」
「助かるよ。今度お礼に何か差し入れする」
「マジか! じゃあアレだ、肉と豆を煮込んだスープを作って来てくれ! アクセル、料理得意なんだろ?」
「あ……うん、わかった。肉と豆のスープだな」
それくらいだったらわざわざ自分に頼まなくても、市場の食事処に行けばいくらでも食べられそうだが……まあ、アロイスのリクエストだから素直に聞いておくことにしよう。
「じゃあこの台車、借りていくな。終わったら返しに来るよ」
そう言ってアクセルは、加工されたヒノキが積まれた台車を引こうとした。
……が、思った以上にヒノキが重くてなかなか前に進まない。
「……おいおい、大丈夫か? アクセル、ちょっと足腰弱すぎじゃね?」
「そ、そんなはずは……。最近は、足腰や体幹を重点的に鍛えてるんだが……」
「でもその程度の台車もスムーズに動かせないってヤバくね? フレイン様を目指すより、先にケイジ様に稽古つけてもらった方がいいんじゃねぇの?」
「そ、そうかな……。以前、自由に使っていいって言われて、修行場を貸してもらったことならあるが……」
「あー、あの滝が流れてくる修行場だろ! あそこならオレも使ったことあるぜ! あの水、冷たいし重いし、キッツいよなー」
「あ、ああ……。アロイスでもそう思うのか」
0
お気に入りに追加
840
あなたにおすすめの小説
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
主人公の兄になったなんて知らない
さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を
レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を
レインは知らない自分が神に愛されている事を
表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる