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第12章~不穏な空気~
第48話
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「お前、時々急にネガティブモードに入るよね。お前は毎日頑張ってるし、確実に強くなってる。そんなに落ち込む必要もないと思うんだけどな」
「だけど、兄上みたいな上位ランカーは俺みたいに毎日必死で鍛錬に打ち込んでるわけじゃないだろ? 割とみんな自由気ままに過ごしてるじゃないか。その差は何なんだ?」
「年季の差じゃない? 見た目は劣化しないけど、上位ランカーはみんなヴァルハラに来て何十年も経ってる連中ばかりなんだよ。それだけ長いこといれば、強くもなりますって」
「……そんなものなのかな」
「そんなものでしょ。というか、何十年もヴァルハラにいるような戦士が、二、三年かそこらの新人戦士に負けてたら、それはそれで立場がないというか」
そう言われれば、納得できなくもないが……。
「でも、そういう兄上はヴァルハラに来て何十年も経ってないだろ? せいぜい十年ちょっとじゃないのか?」
「あー、そうだったかな。ずっと見た目が変わらないから、年月の感覚がなくなっちゃってさ」
……なんだか、適当にごまかされている気がするのだが。
「まあとにかく、お前はちゃんと強くなってるよ。そうやって唐突にネガティブになるのやめなさい。次の死合いで、また実力を発揮してくるといいさ」
「う、うん……。次の死合いは来月だけどな……」
今月はもう死合いも仕事も入っていないので、比較的自由な時間がとれる。
雑用をこなしつつ、明日からまた頑張ろう……と、アクセルは食事を平らげた。
「だけど、兄上みたいな上位ランカーは俺みたいに毎日必死で鍛錬に打ち込んでるわけじゃないだろ? 割とみんな自由気ままに過ごしてるじゃないか。その差は何なんだ?」
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「……そんなものなのかな」
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そう言われれば、納得できなくもないが……。
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「う、うん……。次の死合いは来月だけどな……」
今月はもう死合いも仕事も入っていないので、比較的自由な時間がとれる。
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