転生したらいろんな意味で兄に可愛がられています~ヴァルハラで死合いましょう~

夢咲まゆ

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第11章~強くなるために~

第148話

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 会場をぐるりと見て回ったけれど、バルドルの姿が見えない。食事会のホストだからいろいろと忙しいのかもしれないが、ここからあちこち捜し回るのも効率が悪い気がした。

 とりあえずアクセルは、たまたま見つけたホズに声をかけた。

「ホズ様、バルドル様を見かけませんでしたか?」
「兄上は次の料理の手配や、余興の指示をしていると思う。忙しいから、余程の用でない限り邪魔をしないように」
「そ、そうですよね……。じゃあ誰に許可を取ればいいんだろ……」
「何の許可だ?」
「玉鋼を集めに行く許可です。俺たちは予言の巫女の息子だから、他の場所に行く時は許可を取らないといけないって」
「……それで兄上に許可をもらおうとしているのか」

 ホズは納得したように腕を組んだが、すぐにこう釘を刺してきた。

「それなら俺が許可を出してやってもいいが、命の保障はないぞ。仮に死んでも自己責任だ。それでもよければ行ってくるといい」
「……え。そんなに危ない場所なんですか?」
「玉鋼が採れる洞窟は、こことは違う特殊な場所でな。何層もの地下構造になっていて、地下深くになればなるほど、良質な鉱物が採れる。……が、当然のことながら、その分危険も増していくわけだ」
「そうなんですか……。というか、玉鋼って地下にあるんですか?」
「……はあ? 当たり前だろ。お前は一体どこに行こうとしてたんだ」
「それは……山に登って発掘するものだと……」
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