転生したらいろんな意味で兄に可愛がられています~ヴァルハラで死合いましょう~

夢咲まゆ

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第11章~強くなるために~

第146話

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「アクセル」

 そこへ、骨付きチキンを手にした兄がやってきた。一本だけでなく、大きな皿に山盛りに乗せている。まるでヤケ食いみたいだ。

「ええと……すごい量だな」
「せっかくだからいっぱい食べてやろうと思って。……ところで、食事会終わったら玉鋼採集に行かない?」
「……玉鋼?」
「武器の修理や錬成に必要なんだ。こっちの玉鋼は質がいいから、ヴァルハラでも重宝するんだよ」
「そうなのか……。それは興味深いな」

 そう言ったところで、たった今バルドルに忠告されたことを思い出した。許可なくあちこち出掛けない方がいいと。

「あの……兄上、その玉鋼はどこにあるんだ?」
「どこって……そりゃあ山の中でしょ。さすがにそこら辺の道路に転がってはいないよ」
「……だよな。てことは、山に出掛けることに……」
「何? 何か問題でもあるの? 嫌なら私一人で行ってくるけど」
「いや、違うんだ。ちょっと気になって……」

 既にバルドルは別の神に話しかけられ、どこかへ行ってしまっている。山に出掛けるのはアリかナシか、ジャッジしてもらおうと思ったけどタイミングを逃してしまった。

「山……山か……。山の中の屋敷を訪ねるならまだしも、玉鋼探しだもんな……。あちこち歩き回るだろうし、個人的にはちょっと怪しい気がする……」
「……何を言ってるか知らないけど、つまりお前は行かないってことでいいの?」
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