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第11章~強くなるために~
第117話(フレイン視点)
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「棺行きということは、弟くんは敗北したのですか?」
「いや、引き分けだよ。危ないところだったけど」
「ほう。未熟ながらも頑張っているようですね。いずれ本当に七位以内に食い込んでくるかもしれません」
「そうあって欲しいものだね」
時間はかかるだろうけど、あの弟ならきっと頂点まで上り詰めてくれる。彼にはそれだけの素質と、努力をする才能が備わっているのだ。今から楽しみでならない。
するとユーベルは、微笑みながら言った。
「あなた達兄弟を見ていると、周りが全て滅んで最後の二人だけになっても、毎日楽しく暮らしていけそうですよね。友人なんて必要ないといいますか」
「いやいや、そんなことないよ。たまには一緒にお茶をしてくれる友達だって必要さ」
「まあ、食事会のコーディネートをしてくれる便利な友人は持っていて損はないでしょうけど」
サラッと嫌みを口にしつつ、ユーベルが続ける。
「まあとにかく、時折ほんの少し羨ましく感じます。わたくしには、そうまでして一緒にいたい相手はいませんのでね」
「今からでも見つければいいんじゃない? 誰かいい人はいないの?」
「思いつきませんね。物好きな貴族は大勢いましたが、わたくしはそういった方たちとは縁がなかったもので」
「その割には、綺麗どころを集めて『ユーベル歌劇団』なんてのを設立してるけど? あれは性癖じゃないのかい?」
「いや、引き分けだよ。危ないところだったけど」
「ほう。未熟ながらも頑張っているようですね。いずれ本当に七位以内に食い込んでくるかもしれません」
「そうあって欲しいものだね」
時間はかかるだろうけど、あの弟ならきっと頂点まで上り詰めてくれる。彼にはそれだけの素質と、努力をする才能が備わっているのだ。今から楽しみでならない。
するとユーベルは、微笑みながら言った。
「あなた達兄弟を見ていると、周りが全て滅んで最後の二人だけになっても、毎日楽しく暮らしていけそうですよね。友人なんて必要ないといいますか」
「いやいや、そんなことないよ。たまには一緒にお茶をしてくれる友達だって必要さ」
「まあ、食事会のコーディネートをしてくれる便利な友人は持っていて損はないでしょうけど」
サラッと嫌みを口にしつつ、ユーベルが続ける。
「まあとにかく、時折ほんの少し羨ましく感じます。わたくしには、そうまでして一緒にいたい相手はいませんのでね」
「今からでも見つければいいんじゃない? 誰かいい人はいないの?」
「思いつきませんね。物好きな貴族は大勢いましたが、わたくしはそういった方たちとは縁がなかったもので」
「その割には、綺麗どころを集めて『ユーベル歌劇団』なんてのを設立してるけど? あれは性癖じゃないのかい?」
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