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第11章~強くなるために~

第93話

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「……進んでいる方向がめちゃくちゃだったからじゃないか?」
「うおぉ、なんてこった! 真っ直ぐ進んできたはずが!」
「ええと……じゃあ、家まで台車押すの手伝おうか? また変なところに突っ込んだら大変だろ」
「いいのか? よし、じゃあアクセルは台車に乗って進む方向教えてくれ! オレが後ろから押していくからよ」
「……それって手伝いになるのかな」

 こんな大荷物が乗った台車に乗ったら、それだけでまた荷物が崩れそうだし、そもそもアクセルはアロイスの家の場所を知らない。

 とりあえずアロイスに家の場所を教えてもらい、進む方向を指導しながらアクセルは歩いた。

 アロイスの家は山の麓と言ってもいい場所にあり、建物自体も非常にシンプルな木の小屋だった。まるで木こりの住処だ。

「よっしゃ、家に帰れたぜ! ありがとな! もうここでいいぞ」

 そう言って、アロイスは台車からせっせと荷物を積み下ろし始めた。アクセルも荷下ろしを手伝いつつ、何の気なしに話を振ってみた。

「アロイスって、もともと木こりだったのか?」
「え、何で知ってるんだ? オレ、そんなことアクセルに教えたっけ?」
「いや、何となく。家の場所とか、丸太作りの家とか、それっぽいなと」
「いかにも! オレは元木こりだ。てか、うちが材木加工屋だったんだよな。だから木を切るのは得意なんだぜ? この家や台車も、オレが自分で作ったんだ!」
「えっ、そうなのか? それはすごいな……」
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