転生したらいろんな意味で兄に可愛がられています~ヴァルハラで死合いましょう~

夢咲まゆ

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第11章~強くなるために~

第83話

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 すると兄は、じっとりとこちらを見て言った。

「お前、バルドル様の食事会に参加したくないのかい?」
「いや、もちろん参加したいよ。でも死合いとかぶってちゃどうにもならな……」
「だったらつべこべ言わず、早く死合いを終わらせてくるんだよ。いつもより鍛錬を頑張るとか、対戦相手の戦い方を調べるとか、対策はいくらでもあるでしょ。何もしないうちから諦めてどうするの」
「す、すみません……」
「お前はやればできる子なんだから、ちゃんと頑張りなさい。お兄ちゃん、期待してるよ」

 言いたいことだけ言うと、兄は立ち去って行った。

 一人残されたアクセルは、予定表と睨めっこしながら、思った。

 ――まあそうだよな。何もしないうちから諦めるのは早いか。

 兄の言う通り、死合いまでにできることはたくさんある。まずは対戦相手を調べることから始めてみよう。

 そう思い、早速ある場所に向かった。

「やっ! ほっ! はぁっ!」

 ヴァルハラの公式鍛錬場には、今日も多くの戦士が集まっていた。

 ランクが高くなれば、ケイジのように自分専用の鍛錬場を持つことも可能だが、大抵の戦士はここで鍛錬している。鍛錬に必要な武器や道具もほとんど揃っているので、意外と便利なのだ。

 ――次の対戦相手は、確かアロイスとかいう戦士だったな……。

 会ったことがないがどんな人だろう。ここには来ているだろうか。もし来ていなかったとしても、ある程度の情報は掴んでおかないと。

 そう思い、偵察がてら鍛錬場をゆっくりランニングしてみた。
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