転生したらいろんな意味で兄に可愛がられています~ヴァルハラで死合いましょう~

夢咲まゆ

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第10章~日常の中で~

第61話

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「えっ……!? いや、あの……さすがにそれは……。今、後始末してきたばかりだし……」
「後始末なら何度でもできるじゃない。何なら今度は私がやってあげてもいいんだし」
「それは結構だ! 自分でできるから変なことしないでくれ!」
「えー……そう? お前の後始末をするのも結構好きなんだけどなぁ……。普段は楚々としてるお前が白いものを漏らす様はまさに……」
「兄上!」

 聞くに堪えなくて、アクセルは大声で遮った。

 なんでこの兄は、言うのも憚られるようなことを平気で口にできるんだろう。恥ずかしくはないのだろうか。

「と、とにかく! 今はやらないからな! 変なことしたらしばらく口利いてやらないぞ!」
「えー……それは嫌だな。お前に口利いてもらえなかったら、寂しくて死んじゃうよ」

 冗談めかしてそう言った後、兄はやんわりと離れていった。ここでやるのは諦めてくれたみたいだ。少しホッとした。

「じゃあ身体綺麗にしてくるね。上がったらすぐご飯にしたいから、お肉焼いといてくれると嬉しいな」
「え? 朝からステーキ食べる気か? よくそんな食欲あるな……」
「やだな、戦士たるもの食欲は大事だよ。もちろん食欲だけじゃなく、人間の三大欲求はみんな大事」
「三大欲求……」

 要するに兄は、食欲も睡眠欲も性欲も抑えるつもりはないということだ。お腹が空いたら食べたいものを食べるし、眠くなったら自然と起きるまで寝るし、性欲が高まったら何度でも弟を抱く。

 正直いいのか悪いのかわからないけれど、兄が元気でやりたい放題にやってくれている方がイキイキしていていいかもしれない。こちらとしても、深刻な顔をされるよりずっと気が楽になる。
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