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第10章~日常の中で~
第36話
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「今すぐは無理かもしれませんが、可能なら挨拶に行きたいです。きっとたくさんお世話になっただろうし、ホズ様に稽古をつけてもらったらまたいろいろ思い出せるかも」
「ああ、確かに。じゃあ今度アポとって挨拶に行こうか。バルドル様もホズ様も、お前のこと心配してたしね。元気な顔を見せればきっと喜ぶよ」
「はい」
アクセルは笑顔で頷いた。またひとつ楽しみが増えて、我ながら嬉しかった。記憶が曖昧でも、ヴァルハラでの生活はとても楽しい。
「うーん……やっぱり初心者コースにはなかなか動物出てこないね」
と、フレインが周囲を見回す。
山の景色は美しいが、その分狩れるような動物の気配はなく、いたとしても小鳥がピーチクさえずっているくらいだった。鹿どころか、猪の気配も皆無だ。
「あーあ、今日は新鮮な鹿肉のすき焼きが食べられるかと思ったんだけどなぁ」
「まあいいじゃないですか。鹿肉なら家にも保管されてますし」
「市場で買ったものじゃなくて、お前と一緒に狩った鹿肉が食べたかったの!」
口を尖らせてわがままを言ってくるので、アクセルはつい笑ってしまった。時折こうして兄らしからぬ言動を見せるところも、フレインの長所だと思う。常に兄ぶって偉そうな態度をとられるより、ずっと親しみが持てる。
「しょうがない。本格的な狩りはまた今度ということにして、今日はのんびり散策することにしよう。山菜を探してみるのもいいな」
「はい。……あ、でも俺、夢中になって迷子になってしまうかもしれないので、兄上はちゃんと見張っててくださいね」
そんなことを言いつつ、二人はのんびり山を楽しんだ。
「ああ、確かに。じゃあ今度アポとって挨拶に行こうか。バルドル様もホズ様も、お前のこと心配してたしね。元気な顔を見せればきっと喜ぶよ」
「はい」
アクセルは笑顔で頷いた。またひとつ楽しみが増えて、我ながら嬉しかった。記憶が曖昧でも、ヴァルハラでの生活はとても楽しい。
「うーん……やっぱり初心者コースにはなかなか動物出てこないね」
と、フレインが周囲を見回す。
山の景色は美しいが、その分狩れるような動物の気配はなく、いたとしても小鳥がピーチクさえずっているくらいだった。鹿どころか、猪の気配も皆無だ。
「あーあ、今日は新鮮な鹿肉のすき焼きが食べられるかと思ったんだけどなぁ」
「まあいいじゃないですか。鹿肉なら家にも保管されてますし」
「市場で買ったものじゃなくて、お前と一緒に狩った鹿肉が食べたかったの!」
口を尖らせてわがままを言ってくるので、アクセルはつい笑ってしまった。時折こうして兄らしからぬ言動を見せるところも、フレインの長所だと思う。常に兄ぶって偉そうな態度をとられるより、ずっと親しみが持てる。
「しょうがない。本格的な狩りはまた今度ということにして、今日はのんびり散策することにしよう。山菜を探してみるのもいいな」
「はい。……あ、でも俺、夢中になって迷子になってしまうかもしれないので、兄上はちゃんと見張っててくださいね」
そんなことを言いつつ、二人はのんびり山を楽しんだ。
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