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第10章~日常の中で~
第1話
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翌日。早起きしたアクセルは、当たり前のように庭に出て軽くランニングをした。多分以前の日課だったのだろう、こういうことは不思議と身体が覚えているものらしい。
――なるべく早く体力を取り戻したいしな……。
ゆっくりめに庭を周回していたら、ピピも後ろからついてきた。
アクセルはひたすら走りながらピピに言った。
「今日はフレインさんと買い物に行くんだ。食材も買い足す予定だから、ピピの好きな野菜をいっぱい買ってくるよ」
「ぴー」
「それと、昨日フレインさんに『木彫りやってみたら?』って言われたんだ。時間がある時はモデルになってくれ」
「ぴーぴー♪」
「まあ、それより先に体力や戦闘技術を戻さないといけないんだけどな……。二日後に死合いがあるから、それまでにはある程度調整しておかないと」
無様な戦いはしたくない。自分はいいが、フレインの顔に泥を塗ってしまう。もっともフレインは「そんなこと気にしなくていいよ」と言ってくれそうだが、彼をがっかりさせるのは純粋に嫌だ。
――あの人にはもう、悲しんで欲しくない……。
細かいことは覚えていない。フレインが自分の兄だという自覚もない。
だけどそれでも、彼にこれ以上悲しい思いをさせちゃいけないと思った。昨日同じ鍋を食べてわかったが、あの鍋にはフレインの複雑な悲しみが溶け込んでいた。食材は美味しかったのに、味はひどく不味かった。あれはよろしくない。
――なるべく早く体力を取り戻したいしな……。
ゆっくりめに庭を周回していたら、ピピも後ろからついてきた。
アクセルはひたすら走りながらピピに言った。
「今日はフレインさんと買い物に行くんだ。食材も買い足す予定だから、ピピの好きな野菜をいっぱい買ってくるよ」
「ぴー」
「それと、昨日フレインさんに『木彫りやってみたら?』って言われたんだ。時間がある時はモデルになってくれ」
「ぴーぴー♪」
「まあ、それより先に体力や戦闘技術を戻さないといけないんだけどな……。二日後に死合いがあるから、それまでにはある程度調整しておかないと」
無様な戦いはしたくない。自分はいいが、フレインの顔に泥を塗ってしまう。もっともフレインは「そんなこと気にしなくていいよ」と言ってくれそうだが、彼をがっかりさせるのは純粋に嫌だ。
――あの人にはもう、悲しんで欲しくない……。
細かいことは覚えていない。フレインが自分の兄だという自覚もない。
だけどそれでも、彼にこれ以上悲しい思いをさせちゃいけないと思った。昨日同じ鍋を食べてわかったが、あの鍋にはフレインの複雑な悲しみが溶け込んでいた。食材は美味しかったのに、味はひどく不味かった。あれはよろしくない。
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