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第9章~再会と記憶~

第22話(フレイン視点)

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「光の神ともあろう者が、規則を破るとは許せません! 何のために我々ヴァルキリーがいると思っているのですか!」
「いやだからさ、それはバルドル様に直接クレーム入れてくれる? 僕たちに八つ当たりしてもしょうがないじゃない」
「黙りなさい! おおかた、あなた達がバルドル様をそそのかしたのでしょう! 私がこの場で成敗して差し上げます!」
「やだなー、言いがかりなんて。お姉さん、ストレス溜まってるの?」

 斬りかかってくるブリュンヒルデと対峙しながら、ミューは言った。

「しょうがないから僕、ここでお姉さんと遊んでるよ。フレインは先に行ってて」
「いいのかい?」
「いいよ。アクセルを取り戻すのに、余計な怪我をしてたら面倒でしょ。ストレス発散に付き合ってあげないと、このお姉さんしつこそうだしね」

 そう言いつつも、ミューもまんざらではないような顔をしている。ヴァルキリー相手なら思いっきり武器をふるえるとでも考えているのか。

 道中、いろいろやらかしてくれたけど、今始めてミューがいてくれてよかったと思った。

「ありがとう。じゃあ急いで行ってくるよ」

 言い置き、フレインは素早く階段を駆け上がった。

「あっ、待ちなさい! 勝手に階段を上ることは許しません!」
「だから、バルドル様が先に手紙を送ってくれたんだってば。勝手じゃないよー」
「黙りなさい! 規則は規則です! 破った者には厳正なる処罰を!」
「お姉さん、美人なのに石頭で大変だねー。もう少し柔軟になった方が、ストレスも溜まらなくていいと思うよー」

 軽口を叩きつつ、ミューも首切り鎌で応戦している。
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