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第7章~ラグナロクの最中に~

第84話

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 周りはただっぴろい荒野で、あるのは監視塔とフェンリルの城くらいである。こんな状況で安全そうな場所を探すのは、かなり苦労しそうだった。

 せめてヴァルハラと同じように地下空間でもあればいいのだが……。

「ちょ、ちょっと休憩……」

 アクセルはやや大きめの石に寄り掛かった。ヴァルハラから逃げて来て、ほぼ休憩なしに動き回っていたせいか、さすがにちょっと疲れてきた。

「ピピは疲れてないか? そろそろご飯も食べたいだろ。休める場所を見つけたら食料探してくるから、もう少し我慢してな」
「ぴー……」
「ああ、俺は大丈夫だよ。ちょっと休めば回復する。そしたらまた周辺の探索を再開して……」

 その時、突然背後の石がズズッとズレた。そこに寄り掛かっていたアクセルはバランスを崩し、後ろ向きに転倒しそうになった。

「おっと……」

 すんでのところで踏ん張り、後ろを振り返る。見れば、ズレた石の下に何かの穴が見えていた。

「これは……?」

 何だろうと思い、再度ぐぐ……っと石をズラしてみる。結構な力が必要だったが、どうにか石を除けることに成功した。

「階段だ……!」

 石の下から出現したのは、地下に続く階段だった。ヴァルハラの地下施設と同様、結構な深さがあるように見える。

 ただし、横幅は大人一人が通れるくらいの広さしかなく、ピピは入れそうになかった。
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