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第7章~ラグナロクの最中に~
第54話*
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兄に前髪を掻き上げられた途端、中に入っていたものがぐん、と質量を増した。
何故このタイミングで大きくなるのか謎だったが、これによって下腹部の圧迫感も一緒に増したのは事実だ。
「兄上、ちょっ……くるし……」
「あ、ごめんね。お前をいじめるところを想像したら大きくなっちゃった」
「なっ……! 兄上、実は結構なドSだろ……!」
「おや、今頃気付いたのかい? 普段はともかく、こういう時はついS方向に傾いちゃうんだよね」
「そんな……あっ、あっ!」
「ああでも、これもお前がどうしても嫌だっていうなら気を付けるよ? お前に愛想尽かされちゃたまらないもの」
「……うっ」
ぐっ……と改めて最奥を突かれ、短い呻き声が漏れた。
――またそんな、「嫌」とは言いにくいことを……。
正直なところ、兄に気持ちよくいじめられるのは決して嫌ではない。積極的に「もっと」とは言えないが、与えられる快感を享受して悦んでいるのは事実だ。
それに……。
「……いろいろ言ったけど、やっぱり俺は、兄上がやりたい放題やっている方が好きだ……。下手に遠慮されると、兄上じゃないような気がする……」
「何それ? 私はそんなに自分勝手?」
「……そういう面も多々ある。だけど、そういうところも全部ひっくるめて、俺はあなたが好きなんだ……。本当に嫌なことはさっきみたいに言うし、それに……」
「それに?」
何故このタイミングで大きくなるのか謎だったが、これによって下腹部の圧迫感も一緒に増したのは事実だ。
「兄上、ちょっ……くるし……」
「あ、ごめんね。お前をいじめるところを想像したら大きくなっちゃった」
「なっ……! 兄上、実は結構なドSだろ……!」
「おや、今頃気付いたのかい? 普段はともかく、こういう時はついS方向に傾いちゃうんだよね」
「そんな……あっ、あっ!」
「ああでも、これもお前がどうしても嫌だっていうなら気を付けるよ? お前に愛想尽かされちゃたまらないもの」
「……うっ」
ぐっ……と改めて最奥を突かれ、短い呻き声が漏れた。
――またそんな、「嫌」とは言いにくいことを……。
正直なところ、兄に気持ちよくいじめられるのは決して嫌ではない。積極的に「もっと」とは言えないが、与えられる快感を享受して悦んでいるのは事実だ。
それに……。
「……いろいろ言ったけど、やっぱり俺は、兄上がやりたい放題やっている方が好きだ……。下手に遠慮されると、兄上じゃないような気がする……」
「何それ? 私はそんなに自分勝手?」
「……そういう面も多々ある。だけど、そういうところも全部ひっくるめて、俺はあなたが好きなんだ……。本当に嫌なことはさっきみたいに言うし、それに……」
「それに?」
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