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第7章~ラグナロクの最中に~

第51話*

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「それよりも、嘘つかれる方が辛いんだ……。その時はいいが、後に本当のことを知った時に『兄上に騙された』って不信感ばかりが募っていく……『俺は全然信用されていなかったのか』って惨めな気持ちになる……。それくらいだったら、『私が今やっていることは、事情があってお前には教えられない』ってハッキリ言ってくれた方がずっといい……」

 最初の話とかなりズレてきたが、溜まりに溜まった不満を止めることはできなかった。

 アクセルは鼻をすすり上げて、兄を見た。一緒に涙も流れてきたが、これも止めることができなかった。

「俺が馬鹿正直で騙されやすいのはわかってる……。そんなヤツに、肝心な情報を渡しておくのは誰だって不安だ……。兄上がごまかしたくなるのも理解できる……。だからもう、教えてくれなんて言わない……。だけど、嘘だけはつかないでくれ……。俺を騙すような真似はしないでくれ……お願いだから……」
「アクセル……」
「これ以上嘘つかれたら、あなたのこと……信じられなくなりそうで……」

 大好きな相手を信じられなくなる。それが一番辛かった。他の誰に騙されたとしても、兄のことだけは純粋に信じていたかった。

 それなのに、最近の兄は自分に嘘ばかりついている。手紙や石碑のことも含め、数え上げればキリがない。面白半分にからかうならともかく、こうも嘘が続くと本当に信じていいのか、また裏切られるんじゃないかと、余計な不信感が芽生えてしまう。
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