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第6章~ラグナロクの始まり~
第140話
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階段の壁際にはぽつぽつと明かりが灯してあるだけで、足元も暗くてよく見えない。
「随分遠いところにあるんだな、地下施設って……」
「そうだね。生活するには若干不便だけど、万が一敵が押し寄せてきてもある程度の時間稼ぎはできるんじゃないかな」
「それもそうか……。しかし、こんなところに敵が押し寄せてきたら、俺たち逃げ場がないんじゃないか……?」
「そりゃないでしょう。そもそも私たちには、『逃げる』なんて選択肢自体最初からないんだから」
「えっ……?」
「オーディン様の眷属(エインヘリヤル)っていうのは、死を恐れない勇敢な戦士だからね。敵に襲われたら返り討ちにするか、そのまま戦死するかの二択しかない。敵前逃亡するような戦士は、そもそもヴァルハラに招かれていないんだ」
「それは……」
兄の言葉で、今更ながら自分の立場を思い出す。
オーディン様の眷属は、あくまで「駒」だ。なるべく多くの敵を倒すための一兵士にすぎない。その一兵士が、敵を前にして逃亡するなどあり得ない。死を恐れずにひたすら戦うからこそ、エインヘリヤルたり得るのだ。
――逃げることは許されない、か……。
理屈はわかる。だが、それなら自分たちは、一体いつまで戦わなければならないのだろう。ラグナロクが終わらない限り、永遠に戦い続けるしかない。そしてずっと戦っていれば、いつかは戦死する時がやってくる。棺もないし、死ねばそのまま死者の国に直行だ。
「随分遠いところにあるんだな、地下施設って……」
「そうだね。生活するには若干不便だけど、万が一敵が押し寄せてきてもある程度の時間稼ぎはできるんじゃないかな」
「それもそうか……。しかし、こんなところに敵が押し寄せてきたら、俺たち逃げ場がないんじゃないか……?」
「そりゃないでしょう。そもそも私たちには、『逃げる』なんて選択肢自体最初からないんだから」
「えっ……?」
「オーディン様の眷属(エインヘリヤル)っていうのは、死を恐れない勇敢な戦士だからね。敵に襲われたら返り討ちにするか、そのまま戦死するかの二択しかない。敵前逃亡するような戦士は、そもそもヴァルハラに招かれていないんだ」
「それは……」
兄の言葉で、今更ながら自分の立場を思い出す。
オーディン様の眷属は、あくまで「駒」だ。なるべく多くの敵を倒すための一兵士にすぎない。その一兵士が、敵を前にして逃亡するなどあり得ない。死を恐れずにひたすら戦うからこそ、エインヘリヤルたり得るのだ。
――逃げることは許されない、か……。
理屈はわかる。だが、それなら自分たちは、一体いつまで戦わなければならないのだろう。ラグナロクが終わらない限り、永遠に戦い続けるしかない。そしてずっと戦っていれば、いつかは戦死する時がやってくる。棺もないし、死ねばそのまま死者の国に直行だ。
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